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メゾスコピック計測研究センター藤グループ

藤グループ_メインイメージ
場所:明大寺キャンパス レーザー棟2F
Annual Review : こちら

レーザー,超短光パルス,超高速現象

超短光パルスの研究

光は、日常生活において非常に身近なものですが、 光速不変の原理や量子性など、 物理学的に興味深いことが多く、 現在でも、光の本質についての研究は進められています。

光は電磁波の一種であり、ラジオの電波やX線の仲間ですが、 その波の形を実際に観測するということは、容易ではありません。 目に見える光(可視光)の周波数は数百テラヘルツ(THz=1012Hz) であり、その周期は1,2フェムト秒(fs=10-15s)と、非常に高速だからです。 以前は、光の波を計測する手段として、 極端紫外光であるアト秒(as=10-18s)パルスを利用したものがありました[Science 305 1257]。 しかし、 極端紫外光は、大気で吸収されてしまうので、高真空装置などが必要であり、 一般的な応用は考えられませんでした。

藤グループにおいて、2013年に、 光の波の振動する様子を直接計測する新しい光技術を開発しました。[1,2] この光電場計測技術は、アト秒パルスを必要とせず、 測定したい光波そのものを利用して、光の波を計測できる技術です。 実験において、数フェムト秒の周期で振動する光電場を明瞭に観測することができました(図参照)。 この成果は プレスリリース され、 日刊工業新聞などいくつかの新聞で報道されました。

現在、光ファイバーによる通信では、光の振幅や位相の変調によって、情報をのせています。 もし、光電場の波形そのものに情報をのせた通信を行うことができれば、 今よりも3桁以上高速に通信ができるようになります。 そのような通信技術の実現において、藤グループで開発された光電場の計測技術は極めて重要になると考えられます。

このように、藤グループでは、 最先端の光の計測や制御技術、特にフェムト秒やアト秒のような超高速に関する技術を開発します。 2010年からスタートした研究室ですが、 上記の光電場計測手法の開発の他に、 超広帯域コヒーレント赤外光発生[3]や、 それを用いた高速赤外分光法の開発[4-6]において成果を上げました。 今後もこれらの技術を発展させ、究極的な光の発生、制御、計測法の開発を進めていきます。
 

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藤グループで開発された技術で計測した光電場。 数フェムト秒で振動する光電場を直接的に計測することができた。 計測対象の光電場の位相を180度変えることで、 電場の向きが反転する様子を観測することができた。

参考文献

  1. Y. Nomura, H. Shirai, and T. Fuji, "Frequency-resolved optical gating capable of carrier-envelope phase determination," Nat. Commun. 4, 2820 (2013).
  2. Y. Nomura, Y.-T. Wang, A. Yabushita, C.-W. Luo, and T. Fuji, “Controlling the carrier-envelope phase of single-cycle mid-infrared pulses with two-color filamentation,” Opt. Lett. 40, 423-426 (2015).
  3. T. Fuji, Y. Nomura, and H. Shirai, “Generation and characterization of phase-stable sub-single-cycle pulses at 3000 cm-1,” IEEE J. Sel. Top. Quantum Electron. 21, 8700612 (2015).
  4. H. Shirai, C. Duchesne, Y. Furutani, and T. Fuji, “Attenuated total reflectance spectroscopy with chirped-pulse upconversion,” Opt. Express 22, 29611-29616 (2014).
  5. H. Shirai, T.-T. Yeh, Y. Nomura, C.-W. Luo, and T. Fuji, “Ultrabroadband Midinfrared Pump-Probe Spectroscopy Using Chirped-Pulse Up-conversion in Gases,” Phys. Rev. Appl. 3, 051002 (2015).
  6. T. Fuji, H. Shirai, and Y. Nomura, “Ultrabroadband mid- infrared spectroscopy with four-wave difference frequency generation,” J. Opt. 17, 094004 (2015), Highlight of 2015.