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生命・錯体分子科学研究領域古谷グループ

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場所:明大寺キャンパス 研究棟3F
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赤外分光法,膜タンパク質,イオンチャネル,トランスポーター

イオンチャネル、輸送体、受容体などの分子機構研究

細胞の内外をつなぐ膜タンパク質
細胞膜には、外界からの情報を受容するための膜受容体、イオンを透過するイオンチャネル、分子などを輸送する輸送体等の膜タンパク質が存在します。我々の網膜の視細胞には、ロドプシンという光受容体がはたらいています。また、生体電気信号を発生する神経細胞には、ナトリウムチャネルやカリウムチャネルがはたらいています。病院などで問題となる多剤耐性菌では、様々な薬物を細胞外に排出する多剤排出輸送体がはたらいています。また、イオンポンプは膜電位やプロトン濃度勾配を形成し、その電気化学的勾配を利用して、ATP合成酵素は生体エネルギー物質であるATPを生産します。このように膜タンパク質は細胞の生存に欠かせない精巧な分子機械としてはたらいています。

これらの膜タンパク質の機能発現がどのような分子メカニズムでなされているのかを明らかにするためには、原子レベルでのタンパク質構造だけでなく、イオンや分子との相互作用やタンパク質の構造変化に関する情報も必要です。イオンの配位構造や分子内、分子間水素結合構造などの情報を、赤外差スペクトル法を活用することで明らかにし、膜タンパク質の機能発現機構に迫ることを目的に研究を進めています。一例として、カリウムチャネルの赤外差スペクトルを図に示します。イオン選択フィルターを形成するカルボニル基とカリウムイオンもしくはナトリウムイオンとの相互作用の違いが差スペクトルの変化として表れています。この赤外差スペクトルを解析することにより、カリウムイオンとナトリウムイオンの配位構造の違いや親和性の違いなどが明らかとなります。


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(left) X-ray crystal structure of a potassium channel, KcsA. (right) The ion-exchange-induced difference infrared spectra of KcsA with different potassium-ion
concentration. The amide I bands are mainly originated from the carbonyl groups of the selectivity filter of KcsA.

参考文献

  1. Y. Furutani, H. Shimizu, Y. Asai, T. Fukuda, S. Oiki and H. Kandori, “ATR-FTIR Spectroscopy Revealed the Different Vibrational Modes of the Selectivity Filter Interacting with K+ and Na+ in the Open and Collapsed Conformations of the KcsA Potassium Channel”, J. Phys. Chem. Lett. 3, 3806-10 (2012)
  2. Y. Furutani, T. Murata and H. Kandori, “Sodium or Lithium Ion-Binding-Induced Structural Changes in the K-ring of V-ATPase from Enterococcus hirae Revealed by ATR-FTIR Spectroscopy”, J. Am. Chem. Soc. 133, 2860-3 (2011)
  3. A. Inaguma, H. Tsukamoto, H. E. Kato, T. Kimura, T. Ishizuka, S. Oishi, H. Yawo, O. Nureki and Y. Furutani, “Chimeras of channelrhodopsin-1 and -2 from Chlamydomonas reinhardtii exhibit distinctive light-induced structural changes from channelrhodopsin-2”, J. Biol. Chem. 290 (18), 11623-34 (2015)
  4. H. Tsukamoto, I-S. Chen, Y. Kubo and Y. Furutani, “A Ciliary Opsin in the Brain of a Marine Annelid Zooplankton is ultraviolet-Sensitive and the Sensitivity is Tuned by a Single Amino Acid Residue”, J. Biol. Chem. 292, 12971-80 (2017).