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協奏分子システム研究センター古賀グループ

古賀グループ_メインイメージ
場所:明大寺キャンパス
Annual Review : こちら

タンパク質立体構造・機能,人工設計,計算機シミュレーション,生化学実験

計算機および生化学実験によるタンパク質分子デザイン

タンパク質分子は,アミノ酸配列に従ってほどけた紐のような状態から自発的に折りたたまり特異的な3次元立体構造を形成した後に,その3次元立体構造に基づき機能を発現することで,生命システムにおけるパーツとして様々な生命現象を生み出しています.現在私達が見ている自然界のタンパク質の姿は,自然が何十億年という時間をかけて精巧に創り上げた,いわば“完成品”であり,それらを解析するのみではタンパク質分子の動作メカニズムの本質を明らかにすることは困難です.そこで私達は,立体構造形成や機能発現に関する様々な仮説を立て,それらを基にタンパク質分子を計算機上でデザイン1)し,そのデザインしたタンパク質分子が実際にどのように振る舞うのかを生化学実験によって調べることによって最初に立てた仮説を検証する,というアプローチにより研究を行います.すなわちタンパク質分子を創ることにより立体構造形成と機能発現原理の解明を行います.

私達はこれまでの研究において,「アミノ酸配列はどのような原理により折りたたみ後の構造を決定しているのか?」という問題に取り組んできました.この問題が解明されれば,アミノ酸配列に基づいて折りたたむ立体構造を予測することも,またその逆に,望みの立体構造に折りたたむアミノ酸配列を自在にデザインすることも可能になります.計算機による折りたたみシミュレーションと自然界のタンパク質立体構造の統計解析を行った結果,αヘリックス,βストランド,ループの長さといった局所的な主鎖構造が3次構造のトポロジーの決定に重要であることを発見し,それらをルールとして体系化しました.そして,これらのルールを用いてタンパク質分子構造をデザインすることにより,世界で初めてシステマティックにαヘリックスおよびβストランド両方からなる様々なタンパク質の立体構造について原子レベルの精密さで完全にゼロから設計することに成功しました (図)2、3).以上の結果は,アミノ酸配列の詳細というよりはむしろ局所的な主鎖構造が折りたたむ3次構造の決定に重要であることを示唆するものです.現在は,タンパク質の構造形成原理だけでなく,タンパク質がどのように構造変化し協同的な機能を発現しているのか,そのメカニズムの解明を目指して機能性タンパク質のデザインに挑戦しています.

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計算機による5つのトポロジーの新規立体構造デザイン

参考文献

  1. Sarel J. Fleishman, Andrew Leaver-Fay, Jacob E. Corn, Eva-Maria Strauch, Sagar D. Khare, Nobuyasu Koga, Justin Ashworth, Paul Murphy, Florian Richter,Gordon Lemmon, Jens Meiler, and David Baker, RosettaScripts: A Scripting Language Interface to the Rosetta Macromolecular Modeling Suite, PLoS ONE 6(6), 1-10 (2011).
  2. Nobuyasu Koga, Rie Tatsumi-Koga, Gaohua Liu, Rong Xiao, Thomas B. Acton, Gaetano T. Montelione and David Baker, Principles for designing ideal protein structures, Nature 491(7423), 222-227 (2012).
  3. Yu-Ru Lin, Nobuyasu Koga, Rie Tatsumi-Koga, Gaohua Liu, Amanda F. Clouser, Gaetano T. Montelione, David Baker, Control over overall shape and size in de
    novo designed proteins, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 112(40), E5478-5485 (2015).