講演(15:00〜16:00)

高性能マイクロチップレーザーの展望

平 等 拓 範
分子科学研究所 分子制御レーザー開発研究センター 助教授

1983年福井大学卒 1985年福井大学大学院修士課程修了 同年三菱電機(株)LSI研究所研究員 1989年福井大学工学部助手 1998年2月より現職 東北大学博士(工学) 1993年〜1994年文部省長期在外研究員(スタンフォード大学応用物理学科) 1999年〜理化学研究所非常勤研究員

 “レーザー光線”と聞くとスターウオーズを連想する方は多いのではないでしょうか? 非常に危険な殺人光線! 本当にそれだけでしょうか? 20世紀最大の発明の1つとされるレーザーも,すでに40年が経ち,この間に超精密計測,光通信,レーザー加工,レーザー治療などの分野が切り開かれました.もっと身近な例としてはCDやDVDなどにも利用されています.このようにレーザーの出現により従来不可能とされてきた領域が次々と実現されてきました.

 ところで,コンピュータもマイクロプロセッサー,高密度メモリなど超LSI技術により小型,高性能化され,また電池駆動できる程度に効率も改善されたため現在のようなモバイルな情報機器が可能になってきました.レーザーも同じで,大きくて効率が悪ければなかなか使えません.マイクロチップレーザーは小指の爪よりも小さく,しかも単色性に優れた高性能な固体レーザーです.講演ではレーザーの簡単な原理から始まり最近の半導体レーザー励起固体レーザーとその応用まで解説します.さらに,講演者の研究の中からマイクロチップレーザーの高性能化,例えば”お茶わん”と同じセラミックスによる高効率マイクロチップレーザーや,Ybイオンを用いた新レーザーと光領域のシンセサイザーを目指した擬似位相整合による多機能非線形波長変換の研究の一部を紹介したいと思います.


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