分子研の散歩道1 研究者のよこがお

 

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「二次元共役系高分子」の研究者(江 東林先生)

原子と原子の結合の仕方の一つに共有結合があります。共有結合には単結合と、二重結合や三重結合といった多重結合とがあります。単結合と多重結合が交互に並んでいる状態を“共役系”といい、共役系でできた高分子を“共役系高分子”といいます。2000年に白川英樹先生は導電性高分子の研究でノーベル化学賞を受賞しましたが、導電性高分子ポリアセチレンは、鎖状の一次元共役系高分子の一つです。

先生は、共役系が平面状に広がった二次元共役系高分子の合成に世界で初めて成功しました。そして、共役系という特徴から得られる様々な機能をもった高分子を設計し、新規高分子を作り出しています。

もっと詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
https://www.ims.ac.jp/research/group/jiang/
http://groups.ims.ac.jp/organization/jiang_g/Research.html

研究者になったのはなぜですか?

中学生のころから化学が好きでした。

研究者でなくても化学に関わる仕事をしたいと思っていました。それで、大学でも化学を学びました。

日本に留学されたのはどういうきっかけですか?

中国で博士課程の学生の時、先生から「1年くらい外国へ行ってみたらどうか」と勧められました。ドイツへ留学する予定で話が進んでいたのですが、たまたま日本への国費留学生の募集があり、応募したところ採択されたので日本へ行くことになりました。

日本語はどうでしたか?

最初はテレビを見ても何も分からず、半年くらい苦労しました(笑)。

それから、日本語で化学用語を知るため、日本語の化学の教科書を一生懸命読みました。内容は中国で勉強しているので分かっているのですが、言葉を勉強したかったからです。

今の研究テーマ「二次元共役系高分子」との出会いは?

2005年、分子研に採用されたとき、まだ誰もやっていないものに挑戦してやろうと思い、二次元共役系高分子の設計と合成の研究を始めました。

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