分子研の散歩道1 研究者のよこがお

 

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最も気に入っている仕事は?

やはり、博士論文の仕事になった、ラクトアルブミンの中間体を見つけたことですね。
もう一つ、思い出のあるものとして、やはりラクトアルブミンについてのことですが、これがカルシウムと結合するタンパク質だということを初めて見つけたのも私たちの研究室でした。ラクトアルブミンはカルシウムが豊富なミルクの中にありますからこれは意味のある発見でした。

他にも気に入っている仕事がありますが、いずれも30歳代のときの仕事ですね。

研究スタイルの特徴は?

じっくりと研究を仕上げているタイプですね。

先生の研究の哲学は?

流行を追うのではなく、物理化学的な、そして定量的な議論ができるようにといつも考慮しています。私の専門としている生物物理や生体分子科学関係では、自分で意識していないと、いたずらに流行に流されてしまうことがあるんです。

今までの人生で強く心に残っていることは?

論文が評価の高いジャーナルに採択されたときでしょうかね(笑)。

趣味は?

若いときはあったんですが……。

どんなことですか?

学生の頃ですけど、油絵を描きました。それから将棋もやりましたね。ラジオ作りも好きでしたね。
今はパソコン作りですね。

もの作りがお得意なんですね。

ええ。好きだし、結構強い方でしょうね。実験にも役立ちますね。
助手だった時には、電子制御回路も自分で作りました。そして、遺伝子組み換え技術を使ってタンパク質を作ることも同じ時期に修得しましたね。

この分野の研究をするには何でも自分でできないといけませんでしたから。

桑島 邦博(くわじま くにひろ)・教授
1971年北海道大学理学部高分子学科卒業、理学博士(北海道大学)。北海道大学理学部教務職員、スタンフォード大学博士研究員(NIH奨励研究員)、北海道大学理学部助手、東京大学理学部物理学教室(1993年より東京大学・大学院理学系研究科物理学専攻)助教授、同教授を経て2007年1月より現職

聞き手&文:寺内かえで(広報室)、写真&web:原田美幸(広報室)
2010.8up

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