分子研の散歩道1 研究者のよこがお

 

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最も気に入っているお仕事は?

博士研究員として行った仕事ももちろん気に入っています。でも、最もNMRを使った測定らしい醍醐味を感じることができたのは、学生時代の仕事ですね。
NMRというのは、他の分光測定などと比べて比較的近似が少ないんです。ですから、理論的に予想と実際の試料を解析結果がきちんと一致するんです。この快感を学生時代の仕事で味わうことができたのが最も印象に残っていますね。

今、最もホットな興味は?

生体分子、特に膜タンパク質について、十分に水和された脂質膜を含めた試料、言い換えると生体内で機能しているときと同じ状態の試料を作成し、その試料に最適な新しい固体NMR測定法を開発したいですね。実際に分子が機能する状態の構造を知ることが意味のあることだと考えています。ですから、大変な仕事ですが時間がかかっても必ずやり遂げる覚悟です。

研究スタイルの特徴は?

測定法の開発を中心に行っている人の中には、どんな試料を測定するのかということから離れて測定法そのものだけを追求していくタイプの人がいます。私は、自分の測定したいものをしっかりと意識して、その試料の本質を最もよく知ることができる測定法を開発したいと考えています。この試料にこだわった測定方法の開発が私の研究スタイルの特徴です。

先生の研究の哲学は?

自分が正しいと思うことをやりたいですね。時流に流されず、試料に合った測定法の開発に徹したいです。

私は決して要領のよい方ではありませんので、努力と時間で補うというのが方針です。

趣味は?

今は研究で手いっぱいですが、時間にゆとりを持てるようになったら、以前から好きだった模型作りをまたやりたいですね。

今までの人生で強く心に残っていることは?

子供が無事に産まれて無事に育っていることですね。子供と一緒にいるときが一番楽しい気分転換のひと時です(笑)。

西村 勝之(にしむら かつゆき)・准教授
1994年兵庫県立姫路工業大学理学部(現・兵庫県立大学)卒業、1999年同大学大学院理学研究科博士課程修了・理学博士 1999~2001年米国立高磁場研究所、フロリダ州立大学博士研究員、2001年~2006年横浜国立大学工学研究院助手を経て、2006年4月より現職

聞き手&文:寺内かえで(広報室)、写真&web:原田美幸(広報室)
2010.10up

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