分子研の散歩道1 研究者のよこがお

 

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人生観は田中節!!

感性の一番鋭いときに、いい人に出会うことができた人は一番幸せだと思います。  それから、人間はいろいろな経験を積み上げて、山がだんだん高くなっていく、そうして年を取っていくものだと思います。一つの点だけで詳しくなっていくというのは脆弱だという気がします。

孔子がこんなことを言っています。“子曰はく、「吾十有五にして学に志し、三十にして立つ。四十にして惑はず、五十にして天命を知る。六十にして耳順ひ、七十にして心の欲する所に従ひて矩を踰えず。」と。”研究者にも当てはまると思いますよ。だいたい30歳でポスドクを終えて独立する、そしていろいろなことを焦ってやってみて40歳くらいでだいたい道が定まる。孔子のような天才にして、50歳でようやく「これが自分の仕事かなという天命」と思えるものが分かる。孔子は「天命」だったけれど、私なんかは「これしかできない、これだったらできる」だったかな。でもそれって、大事だと思うんですよ。あることを選ぶんじゃなくて、その前に幾つかの事をあきらめ捨てたんですよね。

趣味を語っても田中節!!

大阪生まれの大阪育ちなので、仏教美術には親しみました。若いころは仏像を見るのが好きでした。若い頃は感性が鋭かったかなと思います、「仏像から私の仏教はこうなんです」という作者の心意気を感じることができたんですよね。でも、ある程度歳を取ってくると解説書に書いてあることしか見えなくなってくる、何様式とか、何時代の作とか。今は、旅行かな。

田中 晃二(たなか こうじ)・教授
1969年大阪大学卒  1971年大阪大学大学院工学研究科修士課程修了 大阪大学工学部助手、米国ジョージア大学博士研究員、大阪大学工学部助教授を経て現職

聞き手&文:寺内かえで(広報室)、写真&web:原田美幸(広報室)
2010.7up

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