分子研の散歩道1 研究者のよこがお

 

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「金属タンパク質」の研究者(青野重利先生)

タンパク質は私たちの体そのものを作り、体の中で様々な役割を担っています。 中には金属と一緒になって、とても重要な働きをしているものもあります。 例えば、皆さんの血液の中には、血液検査の項目にも出てくるヘモグロビンというタンパク質が含まれています。ヘモグロビンには鉄が含まれており、ヘモグロビンが体に必要な酸素を運ぶ働きをするのに必須の役割を果たしています。 このような金属を含んだタンパク質のことを「金属タンパク質」といいます。

先生は、鉄や銅などの金属イオンが含まれた金属タンパク質が、生物の体内でどのような働きをして、どのような構造になっているのか、ということを調べています。

もっと詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
http://www.ims.ac.jp/know/bio/aono/aono.html


研究者になったのはなぜですか?

特別なきっかけがあったわけではなく、工学部4年生の時の研究室での生活がとても楽しかったことが大きな理由の一つです。ただ、修士の学生のときには、博士課程に進学するか就職するかということで迷った時期もありましたが、「迷っているなら行かなかったことを後悔しないように博士課程へ進もう」と考えて博士課程に進みました。

ドクター1年の頃は、就職すればよかったかなと思うこともありましたが、2年生以降は迷うことはありませんでした。1980年代半ばはまだ、大学の先生にも余裕があり、研究以外にも濃密に触れ合える時間がありました。そういった全体的な研究生活が楽しく、アカデミックへの道を希望するようになっていきました。

今の研究テーマ「バイオサイエンス」との出会いは?

大学の4年から研究室で過ごすようになりましたが、私が所属したのは、触媒を研究する化学の研究室でした。私は博士課程を修了するまで同じ研究室にいましたから、博士号を取るまでは触媒化学の研究を行っていました。

現在のテーマとなったバイオサイエンスとの出会いは、博士研究員としてアメリカへ留学した時になります。留学先の研究室は、100℃以上の温度で生育できる細菌に含まれる金属タンパク質の研究をしているところでした。

ここで、タンパク質の研究について学び、帰国して、出身研究室の助手になり、再び触媒化学を中心とした研究をしていましたが、他の大学で助教授として独立した研究室をもつ機会を得られました。独立した研究室をもったら、自分独自のオリジナルなテーマを研究していきたいという希望を以前から持っていましたので、新たな研究テーマを模索しました。

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