分子研の散歩道1 研究者のよこがお

 

TOPページ > 木村 真一

最も気に入っている仕事は?

助手としてUVSORに在籍したとき(2000年頃)にした仕事ですね。
セレンとアンチモンが食塩の結晶と同じ並び方をした物質に特殊な光を当てて、光物性と磁性を丹念に調べたものです。
装置開発から測定、解析までを一貫してやることができました。理論では提唱されていたことですが、実験家にはそんなことはないと考えられていた現象があったのですが、それを世界で初めて見たというものです。きれいなデータを得ることができたので満足いく研究でしたね。

研究スタイルの特徴は?

装置開発から物性測定まで一貫してできるということでしょうね。普通、UVSORのような施設のユーザーの方は、物性測定だけを行うのですが、私の場合はビームラインの設計から行うことができます。

実際に装置を作ることもするのですか?

やろうと思えば溶接から機械工作まで一通りのことはできますよ(笑)。私の出身の東北大学というのは、そういう実習をするための環境が整っていましたね。
でも、真空の実験系などは非常に高度な技術が要求されるので、専門家に任せています。分子研では、この点、装置作りの技術の専門家がいるのでいいですね。

装置開発と測定とどちらによりいっそう興味がありますか?

どちらかというと装置開発の方が好きですね。
既に存在する測定方法を一歩進めた測定手法を開発し、誰も見たことがない新しいものを見たいと思っています。

昨年(2009年)プレスリリースした研究成果も、新しい装置を開発し、シンクロトロン光を使うことにより初めて観測ができるようにしたものです

<<前へ [ 1 2 3 ] 次へ>>

Copyright © Institute for Molecular Science, All Rights Reserved.