分子研の散歩道1 研究者のよこがお

 

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「有機導体の電子物性」の研究者(中村 敏和先生)

有機導体は、有機分子からできている物質で電気伝導性のものを意味しますが、多くの場合、金属的な伝導性を示すものを指しています。分子性導体ともいわれます。この物質は圧力をわずかに加えるだけで超伝導を示すようになるなど興味深い特性を持っています。
先生は、磁気共鳴という手法を用いて有機導体の性質を調べ、超伝導がなぜ起こるのかという謎を解明しようとしています。

もっと詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
http://www.ims.ac.jp/know/material/nakamura/nakamura.html


研究者になったのはなぜですか?

中学校の頃から研究者に憧れていましたね。それが何故だかは分からないけれど。
家庭環境としては、両親ともに商業に従事していたので、学者の世界とは無関係でした。
ブルーバックス(講談社から出ている自然科学をやさしく紹介するシリーズ)を読んで、量子論とか相対論とかに興味を持ちました。特に超伝導については“何で起こるのかな”と。

それで、ノーベル賞受賞者をたくさん出している大学へ行きたいと思い、京大の理学部へ行きました。

ノーベル賞受賞者で尊敬する人がいたのですか?

尊敬する特定の人はいませんでしたが、ノーベル賞を輩出する環境みたいなものに惹かれましたね。でも最近の京大は個性がなくなってしまったように思います。

今の研究テーマとの出会いは?

高校時代、数学が得意だったので初めは数学を専攻しようかと思っていました。でも、学部1年生の初めに数学の解析学のゼミに出て、自分の道ではないな、と気づきました(笑)。
それで、物理を勉強し始めました。高校のときに習った力学は正直なところ面白いとは思いませんでしたけれど、大学に入って学んだ量子力学や統計力学はとても惹かれるものがありました。概念の新鮮さにカルチャーショックを覚えました。

そして、一冊の本に出会いました。これが私のテーマの原点です。

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