
TOPページ > 岡本 裕巳
今の研究テーマ「近接場光学顕微鏡」との出会いは?
“もっと小さなモノを見たい!!”やはりこの思いが強かったですね。
一般の光学顕微鏡の限界を超えて見てみたい。近接場光学顕微鏡というのは、私の持っている分光学のバックグラウンドを取り入れられるほとんど唯一の手段でした。
新しい研究室を持ったら研究してみよう、と何年も前から思っていたので、2000年に分子研に移ったのを機に研究を始めました。
近接場光学顕微鏡というのは以前からあったのですか?
それ自身は、かなり以前から研究されていました。私達が始めた頃には既にかなり研究されていましたが、最初はなかなかうまくいかなくて、停滞状態でした。でも、自分のバックグラウンドとするパルスレーザー光の技術と組み合わせれば、何か新しいことができるのではないか、という思いがありました。
金のナノロッド(棒状微粒子)で非常に面白い現象を見つけられたわけですが、初めて見たときの気持ちは?
初めて見る世界ですし、狙ってやったわけではありませんでしたから、
「何でしょうね?これは?」
と研究室の人とよく議論しました。
では、感動ではなかったんですか?
最初は感動はなかったですね。自信がなかった。もちろん何度も実験し直しました。 いろいろ解析して、ナノサイズの粒子だからこそ見られる現象、私たちの装置だからこそ見える現象であることが説明できるようになってきて、ようやくじわじわと感動してきたという感じですね。
この解釈で最初に書いた論文は、やはり一つの記念碑ですね。
この装置を開発して、次は何を見てみたいですか?
次のステップの装置を目指しています。
今の装置で、今までの結果を体系的に説明するために十分なデータは得られたと思っています。
ですから、このステージのことはここで終わったと考えています。
別な物質に興味を広げるということも重要ですが、新しいステップの装置を開発することに興味があります。