分子研の散歩道1 研究者のよこがお

 

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研究スタイルの特徴は?

自然体、ですね。

研究者の中には、何とかして自然をコントロールしてやろうと考える人もいますが、私はそういうふうには考えていません。

シンクロトロン光のようなエネルギーの高い光を分子に当てたらどうなるのか? その時、分子が見せる自然な振舞いを出来るだけ詳しく観測したい。どうしてそのように振る舞うのか、実験により得られた情報を基に合理的に説明したいのです。純粋な真理の探究、それが研究のモチベーションです。素粒子や宇宙の研究にロマンを感じる人は多いと思います。私の場合、研究対象がたまたま内殻励起分子だっただけで、その探究に大いにロマンを感じて研究しています。残念ながら、我々の暮らしに直接役に立つような成果は得られませんけどね。他の人がやっていない実験方法を考案したり、新しい発想に基づく実験装置作りを行うなど、試行錯誤を重ねながら研究を進めて行くのは至上の喜びです。

先生の研究の哲学は?

これも自然体ですね。人生も研究も。

趣味は? かなりのワイン通だと伺っていますが……

(笑)確かにワインは好きですね。特にフランスワインにはちょっと煩いです。
でも、料理も好きですよ。さっと適当に作るのから、本を見てきちんと作る手の込んだのまで。フランスで研究生活を送ったとき、ホームパーティに呼ばれたり呼んだりしていたのですが、そういうときに鍛えられましたね。帰国後も週末は、ほぼ欠かさず料理しています。

得意料理は何ですか?

簡単なところでは、チャーハンやキノコのリゾット、おもてなし用なら牛タンのシチューかな。日本では材料が高いので一度しか作っていませんけど。

繁政 英治(しげまさ えいじ)・准教授
1986年広島大学理学部卒 
1988年大阪大学大学院基礎工学研究科博士前期課程修了 1990年東北大学大学院工学研究科博士後期課程中退1997年東京大学博士(理学) 
1990~1999年高エネルギー物理学研究所(現高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所)助手 1999年5月より現職

聞き手&文:寺内かえで(広報室)、写真&web:原田美幸(広報室)
2010.8up

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