分子研の散歩道1 研究者のよこがお

 

TOPページ > 平等 拓範

物性が性能そのものに影響するということがわかったのはいつ頃からですか?

助手になったのが1989年ですが、1990年にNd:YVO4という新しい材料に出会いました。早速これを用いたマイクロチップレーザーを試作し、小型化・簡便化により高効率になり、またコヒーレンスも向上することを確認しました。その後、1993年にスタンフォード大学に留学し、そこでイッテルビウムYAG(Yb:YAG)という新しい光学材料に出会いました。そして、1995年にセラミックスYAGというものも出てきました。この頃から、物質ベースの微細技術の重要さがわかってきました。
そして1998年に分子研に着任して、セラミックレーザーとバルク擬似位相整合(QPM)素子に本格的に取り組むようになりました。

基礎的な物性を理解し、マイクロドメインを高精度に制御できるようになってくると、レーザーは小型化し、それによって性能も向上しました。

先生の研究室では光学的な実験だけでなくて、材料作りも行っているのですか?

そうです。レーザーの革新を目指し、システムだけでなく、求められる光学材料の開発も行っています。

先生の研究の信条は?

もともと私自身はレーザーのユーザーでした。だから、“使えるレーザーが欲しい”という気持ちを強く持っています。
使えないものはダメです(笑)。

そうすると、研究スタイルの特徴は……

使えるレーザーを目指しています。
そのためには極限的な高性能レーザーを目指しているので基礎の理解が大変重要になります。特に言えば“使える基礎”を大切にしているということです。

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