分子研の散歩道1 研究者のよこがお

 

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「新たな反応駆動原理」を提案する研究者(魚住泰広先生)

 “化学”といえば、2つのものを混ぜ合わせて別のものを作る学問、という素朴な印象をお持ちの方々が多いと思いますが、今日、実際のフラスコの中の化学反応は、しばしば厳しい温度、圧力、酸・塩基、厳密な無水・無酸素条件、などを必要とします。

魚住教授は「素朴な印象の化学」をそのままに、温和な温度、pH、圧力条件で、かつ水中、空気下で実現させている「生命の中での化学反応」をモチーフに、新しい化学反応の駆動原理を提案し、そのための手段として、触媒をうまく利用し、ユニークな反応システムをいくつも実現させています。



もっと詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
https://www.ims.ac.jp/research/group/uozumi/
ビデオ:http://www.ims.ac.jp/public/vlibrary.html


研究者になったのはなぜですか?

最初からアカデミックポジションを強く意識していたわけではありません。修士課程を終えたら就職するつもり、博士課程を終えたら就職するつもり、と考えていました。ただ、企業へ行けば、自分のやりたいことを自由にやっていいわけではないことは分かっていましたので、自由にやっていていいと認められる間は自由にやっていこう、そう思ってこれまで研究生活が続いてきました。

今の研究テーマ「触媒化学」との出会いは?

北海道大学薬学部の出身ですが、伴義雄先生(学士院賞;後に北海道大学学長)の研究室で研究生活をスタートしました。そこで、当時助手をしておられた森美和子先生(後に猿橋賞などを受賞)に師事し、森先生が専門としておられた触媒化学の研究を始めました。
これが触媒化学との出会いになるでしょう。
(詳しい記述はhttp://www.eyela.co.jp/essential-eyela/pdf/eeyela3.pdfを参照)
その後も、触媒化学の分野で大きな成功をおさめられた柴崎正勝先生(東大名誉教授;学士院賞)が、私のいた研究室に異動してこられ、私自身は同じ場所に居ながらにして、多くの先生方の教えを受けることができました。
学位取得後、同じく北大の触媒化学研究センター・林民生教授(現京大教授;紫綬褒章)グループの助手として職を得ることができました。
この北大時代の研究成果は、学術的に非常に高い評価を受けました。このことは、後々、私が自由な研究のできる環境を得ることに関して、たいへんプラスになっていると思います。

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