分子研の散歩道1 研究者のよこがお

 

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明日これをやりたい、というものをお話ししてもらえますか?

それは言えません(笑)。
好きな子を告白しろ、と言われているのと同じです。 秘かに思い焦がれて、好きで好きで仕方がない。いつ告白しようかと思っているんですよ。 研究というのは恋愛と同じなんです。 好きになることに理由はない。ソロバン勘定もない。 お金になるとか、いい論文誌に載せたいとか思っていたら、好きなことを好きなようにはできません。 もちろん研究費を獲得するためには、こんな理想的なことばかりは言っていられません。 でも、分子研はその点で恵まれていると思います。分子研での研究の提案書は、恋愛感情で書くことができますから。

今までの人生で強く心に残っていることは?

科学研究について言えば、自分のアイデアで、自分の主導した研究を自分なりにやり遂げたと思えた時の感慨は強く心に残っています。それが評価の高い論文誌に掲載されれば尚更いいのですが、それが全てではありません。
研究成果は自分にとっては「子供」です。周りがどう評価するかよりも、自分が好きなものを世に生み出したということが大切ですね。ただし「自己満足」「ひとりよがり」に陥らないよう気をつけなければなりませんが。

趣味は?

音楽です。

ジャンルは?

関係ありません。 “好きなもの”が好きなんです。



魚住 泰広(うおずみ やすひろ)・教授
1984年北海道大学卒 1986年同大学院薬学研究科修士課程修了 1990年薬学博士 北海道大学薬学部教務職員、同触媒化学研究センター助手、米国コロンビア大学研究員、京都大学講師、名古屋市立大学教授を経て現職 理化学研究所研究チームリーダー併任(-2019年11月)
2007年日本化学会学術賞、2007年GSC文部科学大臣賞

聞き手&文:寺内かえで(広報室)、web:原田美幸(広報室)
2010.8up

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