TOPページ > 米満 賢治
分子が集合することによってできた物質は、組成を変えたり、圧力を加えたり、光を照射したりするなど、環境をわずかに変えることにより、結晶構造や色が変わったり、磁石でないものが磁石になったりというように性質を変えることがあります。
先生は、物性理論を専門としています。特に、環境を変えることによって物質の性質が変化する現象に興味をもって研究を進めています。もっと詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
http://www.ims.ac.jp/know/theory/yonemitsu/yonemitsu.html
研究者になったのはなぜですか？
子供の頃から研究者に興味がありましたね。
ただ、“物理”にこだわっていたわけではありません。高校の頃は古文も好きでしたし、初めは物理よりも化学の方が好きでしたね。ただ、物理は得意でした。独学しているうちに物理の面白さに気づきました。大学へ入ってからは、物理学科へ進むことに決めていました。理論に興味をもつようになったきっかけは？
高校時代は素粒子理論を説明したブルーバックス(講談社から出ている自然科学をやさしく紹介するシリーズ)なんかをよく読んでいましたね。授業そっちのけで（笑）。
素粒子ではなく物性の理論を専門とされたのは？
素粒子理論というのは、これさえわかればよいというところまでとことん還元して突き詰めるものです。
これに対して、物性理論では、“現実の世界にある、身の回りにある物質の性質はどのようにして現れるのか”というところに興味を持ちます。例えば、電子どうしの相互作用というのがありますが、実際には10の23乗個(１の後に０が23個続く数)というような多数の電子が関わっているわけです。相互作用はわかっていても、多数の電子が関わることで何が起こるかに興味を持つのが物性理論です。