分子研の散歩道1 研究者のよこがお

 

TOPページ > 米満 賢治

物質の性質の変化に興味をもったのは?

私が理論の研究を始めた10年くらい前から、実験で、光により物質の性質を変えることができるようになってきました。
光の粒を電子が吸収することは素過程です。実際には1つや2つ起こっただけでは電気を流すとか、磁石にするとかいうように物質の性質を変えることはできません。無数の電子の振る舞いがいっせいに変わらないと性質は変わらないんです。

素過程と無数を結ぶものに興味を感じますね。

物理出身という点での特徴は?

やはり、基礎的なことから考える習慣が強みになっていると思います。物理学科の場合、学部の3年生から始めて、修士2年生の途中くらいまでは、演習、勉強会などでいろいろなことをみっちり議論しますから。
素過程では量子力学が必須です。
でも、金属化、超伝導化、絶縁化、磁石化というようなことを扱うときには、統計力学が必須となります。両方分かっていないといけないんです。

いずれについても、基礎的なことから考えているからこそいろいろなことに取り組むことができるんだと思います。

研究スタイルの特徴は?

実験家の方との共同研究を大切にしていることでしょうか。

実際に実験室に行ったりするのですか?

いいえ。ほとんど、電話と電子メールで行います。電子メールで送ってもらった、出たばかりの実験結果をパソコンで見ながら、電話で話をする、なんてことをよくしています。

そうすると24時間いつでもどこでも研究室ですね(笑)?

そうですね。

家族からもそう言われますよ(笑)。

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