分子研の散歩道1 研究者のよこがお

 

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「生体分子の分子動力学シミュレーション手法を開発する」研究者(奥村久士先生)

分子動力学法とは,一つ一つの原子或いは分子に対してニュートンの運動方程式を適用し, それを順次数値的に解くことによってすべての原子の動きを追跡する手法です。この方法によって、計算の基礎となったモデルの信頼性を確かめたり、実験結果を予想したりすることが可能となります。
先生は、生体分子への適用を目指した新しい分子動力学シミュレーション手法を開発する研究をしています。
もっと詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
https://www.ims.ac.jp/research/group/okumura/

http://okweb.ims.ac.jp/

研究者になったのはなぜですか?

子供のころから理科は好きでしたね。物事を論理的に考えるのが好きでした。
高校の時、ニュートンの運動方程式を習いましたが、初めは、この式の意味するところが分かりませんでした。あるとき、ふと、その意味が分かったんです。「この式で、何でも未来の運動を予測することができるんだ」ということに気づいた時、「この学問はすごいな」と感動し、物理が大好きになりました。それで、大学では物理を専攻することにしました。
大学へ入ってから学んだ熱力学、電磁気学、量子力学、相対論、どれも面白かったですね。これらを学ぶことによって、自然観を身につけることができたと思います。この世の中とはどういうものかという見方を学びました。
大学院へ行ってからは、先人達が切り開いてくれた学問を学ぶ“勉強”から、自分で切り開いていく“研究”へと変わっていきました。

研究では、新しいことが分かった瞬間「世界中でこのことを知っているのは自分だけだ!」という気持ちを味わうことができます。この知的な興奮に浸るのが楽しかったから研究者の道を選んだといってもいいかもしれません。

理論を選んだのはなぜですか?

学部の卒業研究では、X線回折を行っている実験系の研究室で過ごしました。でも、いつも実験装置などを壊してばかりいました。それで、大学院へ進学する際、先生から「理論へ行きなさい」と言われてしまいました(笑)。

そんなわけで、大学院では理論の研究室へ進学しました。でも、徐々に、自分は理論に向いていたな、と思うようになりました(笑)。

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