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理論・計算分子科学研究領域奥村グループ

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場所:明大寺キャンパス 計算センター棟225号室
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分子動力学シミュレーション,拡張アンサンブル法,タンパク質

生体分子動力学シミュレーション:タンパク質の折りたたみ、変性、凝集、アミロイド線維

タンパク質は、多数のアミノ酸がペプチド結合によりつながったもので、そのアミノ酸の並び方(一次元配列)はタンパク質の立体構造を決める重要な要素となります。 アミノ酸の一次元配列情報をもとにタンパク質の立体構造を予測する問題をタンパク質の折りたたみ問題と いいます。この問題が難しい理由は、通常のシミュレー ション手法では多くのタンパク質構造を探索するために非常に長い時間シミュレーションを行わなければな らないからです。

この問題を解決するためこれまでに有力な手法がいくつか提案されてきました。そのうちの1つであるレプリカ交換法では系のコピー(レプリカ)を複数用意し、シミュレーションの途中で2つのレプリカ間で温度を交換し、各レプリカの温度を上下させることで効率的な構造空間のサンプリングを実現します。最近、我々はより強力なレプリカ置換法を考案しました。この方法を使ってCペプチドの折りたたみシミュレーションを行い、このペプチドがαへリックス構造を形成し折りたたむ過程を図1のように明らかにしました。

さらに医療への応用にも関心を持っています。タン パク質が間違って折りたたまれることによってひき起こ されるフォールディング病という病気があります。アル ツハイマー病やハンチントン病がその例です。これらの 病気はタンパク質が間違って折りたたまれ凝集し、アミ ロイドという針状の物質を作ってしまうことが原因です が、アミロイドが形成されるしくみはまだよくわかって いません。レプリカ置換分子動力学法を使ってアミロ イドの形成メカニズムの解明に取り組んでいます。また アミロイド線維は超音波を使って破壊することができ るのですが、その過程を非平衡分子動力学シミュレー ションにより初めて解明しました(図2)。


2018_okumura.pngFig. 1 (a) Free-energy landscape and (b) typical structures at local-minimum free-energy states of C-peptide.


2015oku_2.jpgFig.2 Disruption process of an amyloid fibril of Aβ peptides by supersonic wave. The amyloid fibril is disrupted when a bubble collapses.

参考文献

  1. H. Okumura and S. G. Itoh, “Structural and fluctuational difference between two ends of Aβ amyloid fibril: MD simulation predicts only one end has open conformations”, Sci. Rep. 6, 38422 (9 pages) (2016).
  2. S. G. Itoh and H. Okumura, “Oligomer formation of amyloid-β(29-42) from its monomers using the Hamiltonian replica-permutation molecular dynamics simulation”, J. Phys. Chem. B 120, 6555-6561 (2016).
  3. H. Okumura and S. G. Itoh, “Amyloid fibril disruption by ultrasonic cavitation: Nonequilibrium molecular dynamics simulations,” J. Am. Chem. Soc. 136, 10549-10552 (2014).
  4. S. G. Itoh and H. Okumura: “Replica-permutation method with the Suwa-Todo algorithm beyond the replica-exchange method”, J. Chem. Theory Comput. 9, 570-581 (2013).