分子科学研究所

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研究・研究者

研究体制

分子科学研究所では、分子科学の広範な研究分野をカバーするため、理論・計算分子科学、光分子科学、物質分子科学、生命・錯体分子科学の4つの研究領域を設定し、生物に代表されるような「分子が創るシステム」の理解と創製を目的として2013年に新たに創設した協奏分子システム研究センター、及びそれらのシステムのありのままの姿を描き出す革新的計測制御法の開拓を目的として2017年に新たに創設したメゾスコピック計測研究センターと密接に連携しつつ、分子科学の新たな地平を切り拓く先端的研究を進めています。

理論・計算分子科学研究領域研究主幹 石崎 章仁

 

分子ならびに分子集合体の振る舞いは、量子力学や統計力学という基本的な物理法則に則っています。理論・計算分子科学分野では、このような基本原理に基づいて理論・概念を構築し、さらに、高性能のコンピュータを利用して大規模な計算を行うことにより、実際に観測される様々な現象を分子レベルで解き明かし、その上で新規な物性や機能の予測・提案を行っています。また、次世代スーパーコンピュータの利用研究に関する幾つかの国家プロジェクトに中核機関として参加し、生体分子やナノ構造体などの複雑系や複合系における物性、化学反応と機能発現メカニズムの解明に取り組んでいます。

光分子科学研究領域研究主幹 大森 賢治

 

「光」は、分子及び分子集合体の性質を実験的に詳細に調べる上で最も有用なツールの1つであり、物質材料開発から生命科学におよぶ広範な領域で光を用いた研究は不可欠となっています。光分子科学分野では、X線からテラヘルツ波までの波長領域で強力な光を発生させる大型放射光施設や、超小型ながら高出力のマイクロチップレーザーなど、高性能な光源の開発を進め、物性・機能・反応の研究に利用しています。また、超高速で進行する分子構造変化の計測、ナノサイズ物質を直接観測できる光学顕微鏡の開発、物質の量子性に立脚した分子運動や反応の精密制御など、光を活用した先端的な研究を推進し、広範な分野における基盤を提供しています。

物質分子科学研究領域研究主幹 横山 利彦

 

有用な化合物のみを作り出すことや新規な機能を有する物質を創製するには、分子及び分子集合体の精密な制御が不可欠です。物質分子科学分野では、原子レベルの精度で様々な化合物を作り出す技術の開発や、分子集合体をデザイン通りに構築する方法論の開拓を進めています。これによって、ナノスケールの世界でこれまでに知られていない化学・物理現象を見いだし、情報・通信やエネルギー変換などの分野に対して分子科学からアプローチすることを目指しています。

生命・錯体分子科学研究領域研究主幹 飯野 亮太

 

分子や分子が集合したシステムは、光・電気・磁気に応答する性質や、物質やエネルギーの形を変える機能を持っています。本研究領域では、今までにない応答特性、物質・エネルギー変換特性を持つ分子や分子システムの設計、開発を行っています。さらに、最先端の計測手法を開発し、分子や分子システムの特性発現・機能発現のメカニズムを理解する研究を推進しています。

協奏分子システム研究センターセンター長 秋山 修志

 

協奏分子システム研究センターでは、「分子それぞれの性質が高次構造を持つ分子システムの卓越した機能発現にどう結びつくのか」という学問横断的な重要課題に取り組んでいます。生命システムを手本に「個」と「集団」を結ぶ階層間ロジックを学び、分子システムがエネルギー・情報を協奏的に交換することによって物質変換・エネルギー変換・生命的活動などの諸機能を発現する原理を解明します。「柔軟かつ堅牢で卓越した機能をもつ分子システム」創成の拠点として共同利用・共同研究を推進し、学問や社会へ貢献することを目的としています。

メゾスコピック計測研究センターセンター長 岡本 裕巳

 

分子の計測法として、理想化された極限条件下で系に大きなエネルギーを与えて挙動を解析する、従来の方法とは異なるアプローチの必要性が認識され始めています。繊細・広帯域・多次元の計測解析手法で分子のありのままの姿に迫り、また低摂動・超精密制御で新たな量子機能を創出する、革新的実験法の将来性に期待がかかります。特に、新たな分子能力の創発の現場となるメゾスコピック領域(ミクロとマクロの機能が影響を及ぼし合う領域)で、分子の機能や反応の契機となる過程を明らかにすることを目的に、そのような新しい発想に基づく革新的な計測法の開拓を目指しています。

特別研究部門卓越教授 藤田 誠

 

分子科学分野のトップレベル研究の支援と、研究者層の厚みを増強するための支援を行います。

社会連携研究部門特任教授 平等 拓範

 

分⼦研と企業などからの資⾦によって運営するオープンイノベーション拠点とし産官学の共同研究を実施します。

       

極端紫外光研究施設(UVSOR)施設長 解良 聡  https://www.uvsor.ims.ac.jp/

    

        

計算科学研究センター(岡崎共通研究施設)センター長 江原 正博  https://ccportal.ims.ac.jp/