分子科学研究所

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分子研について

所長あいさつ


分子は物質を構成する基本単位であり、物質の示す性質や機能を担う根源です。物質の機能を深く知り、これを高度に利用するためには、分子の構造やそれを構成する原子のレベルで物質を理解すること、さらには、分子群によって構成されるシステムや階層を超えた機能を理解することも不可欠です。分子科学が対象とする学問分野は、分子の持つ化学的な性質と機能を物理的、化学的な手法で体系づけようとする物理学と化学の境界領域であり、具体的な研究対象は個々の分子の電子状態、物性、機能から宇宙・生命科学に関係する物質までの広い範囲にわたります。

 

分子科学研究所は、設立以来50年近くにわたり、我が国の研究の中核拠点として、実験研究と理論研究の両面から国内外の分子科学分野を主体的に先導する研究を進めるとともに、国内の関連研究分野の研究を支援しています。分子科学研究所は、総合的な共同利用研究所として、今後も関連研究者への研究施設・機器の提供および共同研究の場、研究者の交流や国際学術交流の場を提供すること、さらには、最先端の研究環境の中で若手研究者を育成するというミッション、特に、総合研究大学院大学の物理科学研究科や連携大学院などを通じた大学院教育への寄与など、国際的な研究センターとしての機能を維持し続けることを使命としています。

 

現在の分子科学研究所は、光分子科学研究領域、物質分子科学研究領域、生命・錯体分子科学研究領域、そして、理論・計算分子科学研究領域の4研究領域と、それらを繋ぐ2つの研究センター、協奏分子システム研究センターおよびメゾスコピック計測研究センターによって研究基盤が構成されています。さらに極端紫外光研究施設(UVSOR)、計算科学研究センター、機器センター、装置開発室などの研究施設を擁し、分子の構造と反応そして機能に関する基礎研究を推進しています。自然科学研究機構の生命創成探究センターとも協力して、分子科学研究所は、学術研究の基本を踏まえ、科学分野を先導する研究を推進し、新しい科学領域を拓く挑戦を続けていきます。

 

分子科学の世界的なCenter of Excellenceとして、分子科学研究所は世界の人材循環の要として、これからも発展し続けることを目指します。

 

2022年4月
分子科学研究所
所長 渡辺芳人
所長プロフィール