分子研の散歩道1 研究者のよこがお

 

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「磁性薄膜」の研究者(横山利彦先生)

私たちが使っているハードディスクは、ナノメートルスケール(非常に小さいスケール)の磁石の集合体であり、データの読み取りにも薄膜磁石が用いられてており、ナノスケールでこそ発現する特異な磁気的性質がうまく活かされた応用製品です。

先生は、薄膜や表面の磁気的性質を主に光を使って調べる研究を行っています。2006年には、全く新しい磁気顕微鏡として、紫外レーザーを用いた磁気顕微鏡を開発し、実測することに成功しています。

もっと詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
https://www.ims.ac.jp/research/group/yokoyama/
http://msmd.ims.ac.jp/yokoyama_g/naiyou.html
ビデオ:http://www.ims.ac.jp/public/vlibrary.html


今の研究テーマ「磁性薄膜」との出会いは?

私は、理学部の化学の出身で、研究は表面化学という分野から始めました。手法としては、大きな加速器施設を必要とするX線を使っていました。

その後、ドイツの大学に留学する機会がありました。 その研究室は物理の研究室で、磁性体の研究を行っているところでした。日本では、化学の研究室で磁性体を研究しているところはあまりありません。ドイツは特に歴史的な背景もあり、磁性体の研究が盛んでした。私は学生時代から化学と物理の両方に関係あることに興味があったので、帰国後も磁性体の研究を続けることにしました。

表面化学の分野での経験と、磁性体を研究した経験とを活かし、現在のテーマが生まれました。

磁気顕微鏡の開発を始めた動機は?

顕微鏡の開発はどれでも同じだと思いますが、“小さいものを見てみたい”という好奇心ですね。それと、以前は同じような磁気特性を見てやろうとすると、放射光施設で実験しなくてはいけませんでした。これは何かと大変です。そこで、中川助教が頑張ってくれました。放射光を用いなくても、紫外レーザーで測定できる装置、言い換えると普通の研究室でも使える装置を開発することができたのです。


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