分子科学研究所

サイト内検索

お知らせ

お知らせ詳細

2014/09/29

アウトリーチ

平本昌宏先生の出前授業記(2014年9月26日実施)

「分子と光の秘密」というタイトルで、出前授業を行いました。今回は、城北中学校で1年生の150人。体育館で行いました。

 中学校1年生は、電子、原子もまだ習っておらず、それらが教科書に出てくるのは2年生になってからとのことです。化学の授業は始まっているものの、元素記号等はまだとのことです。そこでミクロの原子、分子の世界の説明をするには、少し工夫が必要です。中学生が知っている例を出して、人間の大きさ(1m)から10分の1ずつ例を出しながら、10回繰り返し、原子にたどり着きます。そこから、その内部に入り、核エネルギーの説明までします。前でしゃべっているだけでなく、生徒の中に入っていって、簡単な質問をして、手を挙げた生徒に答えてもらうような、工夫がいります。面白く話すことが肝要です。最初の1人が手を上げると、あとに続いてくれるようになります。実験は、分光器や蛍光材料を使って、光、虹の説明から、分子原子が何故光るか説明します。最後に、すこし、有機デバイスの有機EL照明の実物が光っているところを見せて、光の代わりに電気として取り出せば太陽電池になるという説明をします。

140926_2.jpg 最後は、科学者になるには、という、将来の進路や生き方に関する、お話をします。質問は、一般的なことを含めてどんなことでも答えますよ、といって、生徒をなるべくリラックスさせて積極的に質問してもらいます。「先生は何才?」「先生の夢は?」「女の子でも科学者になれるの?」というような素朴な質問が多いです。すこしでも、科学の雰囲気がわかり、興味を持ってもらうことが目的です。このような活動は、将来の科学者の卵を少しでも増やす、入り口部分で、多くの先生が行ったほうが将来の科学者を増やします。中学の理科の先生も、がんばれば将来、あのような科学者になれるのよ、、と子供たちに「夢」を持たせたいと言っておられました。この出前授業のもとになっている、大学1年生用の基礎物理化学の講義ノートを冊子化したものを5冊もっていき、欲しい人はみてくださいね、というと、たくさんの手が挙がっていました。若い中学生に授業ができるのは、幸せなことです。

140926_1.jpg

(平本昌宏 記)