分子科学研究所

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2021/01/04

アウトリーチ

松井文彦先生の出前授業(岡崎市立福岡中学校 2020年11月17日実施)

11月17日(火)に岡崎市立福岡中学校の2年生を対象として「超伝導って何?最先端研究施設から出張実験」と題した出前授業(サイエンスセミナー)を行いました。本授業は、主講師 松井文彦 主任研究員、副講師 片柳英樹 助手の2名で実施しました。

授業は午後の1時間で、中学校のアリーナ(体育館)を利用させていただきました。最初は全員、舞台のある前の方に集まってもらい、授業内容と、これから体験してもらう実験について手短に説明しました。その後、密を避けるため4カ所に分かれて実験開始。講師2名に加えて福岡中学校の先生の方々にも加わっていただき、それぞれの実験コーナーを担当しました。まず超伝導物質を冷やすための液体窒素を使って、空気から液体酸素を作るなど、物質の三態変化を体験しました。液体窒素にも馴染んだところで、超伝導物質を冷却して「マイスナー効果」を実際に体験してもらいました。超伝導状態への転移も、三態変化のような「相転移」の一種です。4カ所並行で実験を進めたため、初めはうまくいかず、少し手間取ってしまいましたが、磁石を浮かべたり、釣り上げたりする実験が成功すると、各実験コーナーからは拍手が沸き起こりました。

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授業内容を説明する松井講師

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「袋の中に液体酸素ができました。見えるかな?」

今年は授業日数や感染予防対策、ということで理科の実験がなかなか実施できなかったとのことでした。ほとんどの生徒さんにとって、超伝導を目の当たりにするのは初めての経験で、冷たい液体窒素が沸騰する様子や超伝導体の上で磁石が反発する感触など、五感をフル稼働させて実験を楽しんでいただけたようです。この授業が、分子や物質の科学について興味を持つきっかけ(と、実験は簡単には成功しないという実体験)になればと思います。このたびの出前授業にあたり、理科ご担当の山本真梨子先生をはじめ福岡中学校の先生方には大変お世話になりました。また実験で使用した超伝導試料は岡山大学久保園芳博先生、分子研山本浩史先生、および田中清尚先生からお借りしました。ありがとうございました。

(片柳英樹・松井文彦 記)