お知らせ
2022/11/04
アウトリーチ
10月11日と、12日午前中の1日半の日程で、岡崎市立常磐中学校の生徒さん2名が、分子科学研究所(岡崎共通研究施設)計算科学研究センターで職場体験学習を行いました。生徒さん達は、11日は、「分子動力学シミュレーションの体験」などの実習を、12日午前は、「分子動力学シミュレーションのアニメーション作成」の実習を、それぞれ行いました。続く12日の午後から13日は、基礎生物学研究所での職場体験学習が行われました。
11日の午前には、計算科学研究センターが作成した体験型展示の「タンパク質を折りたたんでみよう」と「水分子投げゲーム」を体験してもらいました。前者の展示物の体験後、どのようにすればコンピューターが折りたたみの最善解を求められるかを一緒に考えました。後者の展示物は、リアルタイムの分子動力学シミュレーションで水分子の動きを体感してもらいました。その後、動きの元になる力場について勉強してもらいました。
「タンパク質を折りたたんでみよう」(左)と「水分子投げゲーム」(右)に挑戦
11日の午後は、分子動力学シミュレーションプログラムのGromacsのチュートリアルに従って演習を行いました。周期境界用のボックスを設定したり、溶媒として水分子を加えたり、全体を中性にするために塩化物イオンを加えたりして、初期設定を行った後、平衡化を行いました。それぞれの手順を終えた後には、可視化プログラムのVMDを使って、それぞれの操作を目で理解してもらいました。平衡化の後、等温等積のシミュレーションを行いました。
分子動力学シミュレーションの演習
12日の午前は、先日のシミュレーション結果の可視化を行いました。VMDの可視化の設定を変更することで自分の好みの表示にしてもらいました。コマンドラインベースの画像編集ソフトのGraphicsMagicを使って、好みの文字の装飾で字幕を入れてもらいました。最後は動画作成ソフトのffmpegを使用して、パラパラアニメーションのmp4動画を作成してもらいました。
シミュレーション結果の画像ができました
生徒さんの感想は「難しかった」とのことですが、研究者のリアルな日常の一部を体験してもらえたかと思います。
(岩橋建輔 記)