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協奏分子システム研究センター倉持グループ

場所:明大寺キャンパス 南実験棟3F 311号室
Annual Review : こちら

Ultrafast spectroscopy, Chemical reaction dynamics, Ultrashort pulse generation and control

先端的レーザー分光法よる凝縮相分子の機能・構造・ダイナミクスの探究

化学反応は反応座標を横軸とするエネルギーダイアグラムなど単純化されたモデルを用いてしばしば記述されますが、実際の反応は極めて複雑な多次元ポテンシャルエネルギー曲面上を分子が縦横無尽に駆け巡ることで進みます。こうした多次元ポテンシャルエネルギー曲面上において分子がどのように振る舞いどのようにして反応生成物に至るのか、その一部始終を明らかにすることは化学反応を理解する本質ですが実験的にはこれは極めて困難です。特に生体分子を始めとする巨大な自由度を持つ機能性複雑分子に対しこれを実現することは新規機能性材料の創成に向けた重要な知見をも与えることから現代化学における最重要課題の一つです。

これに対し、私たちは最先端の光技術に基づいた先端的分光計測手法を開発・駆使することで凝縮相分子の反応ダイナミクスの観測とその解明に取り組んでいます。特にサブ10フェムト秒(1フェムト秒 = 10-15 秒)クラスの極短パルスレーザー光を用いる独自の超高速分光法・非線形分光法により反応に伴った分子の電子状態や構造の変化を極限的な時間分解能で時々刻々と追跡し、複雑分子系の反応性や機能発現を決定づけるその精緻な分子機構を明らかにすることを目的としています。また、こうした極限分光計測を単一分子レベルで実現することにより分子1つ1つに固有かつ多様な反応性とその起源を解き明かすことにも挑戦します。このように、私たちは独自の方法論に基づいて分子の反応をあたかも手に取り目で見たかのように理解することで化学反応の研究に新たな途を拓くことを目指しています。

 

222_kh04.pngFig. 1 a. Schematic illustration of the chemical reaction dynamics on complicated multidimensional potential energy surfaces (PESs).  b. Setup for advanced ultrafast spectroscopy based on sub-10-fs pulses.

参考文献

  1. H. Kuramochi, S. Takeuchi, T. Tahara, Rev. Sci. Instrum. 87, 043107 (2016).
  2. T. Fujisawa, H. Kuramochi, H. Hosoi, S. Takeuchi, T. Tahara, J. Am. Chem. Soc. 138, 3942-3945 (2016).
  3. H. Kuramochi, S. Takeuchi, K. Yonezawa, H. Kamikubo, M. Kataoka, T. Tahara, Nat. Chem. 9, 660-666 (2017).
  4. H. Kuramochi, S. Takeuchi, H. Kamikubo, M. Kataoka, T. Tahara, Sci. Adv. 5, eaau4490 (2019).
  5. H. Kuramochi, S. Takeuchi, M. Iwamura, K. Nozaki, T. Tahara, J. Am. Chem. Soc. 141, 19296-19303 (2019).