Manabi
MOF (Metal-Organic Framework)
マウスや指で動かしてみよう

(MOFの構造のごく一部を表示しています)
金属イオンと有機配位子が組み合わさった立体網目構造。多孔質材料としてガス貯蔵や分離、触媒などに期待される。MOFの開発で北川進博士らがノーベル化学賞を受賞。

MOFはナノサイズの「ジャングルジム」のような構造をしていますが、人間がピンセットで一つひとつ組み立てているわけではありません。実は、材料が自分自身で形を整えながら組み上がる「自己組織化(セルフアセンブリ)」という現象を利用しています。
材料となるのは、金属イオンや金属クラスター(ノード、つなぎ目)と有機配位子(ノード同士をつなぐ棒)です。これらを溶媒に入れて、温度や濃度などの条件を整えると、配位結合が次々にできて骨組みが広がっていきます。たとえるなら、パズルのピースが自然にかみ合っていくように、より安定な並び方へと落ちついていき、整然とした美しい結晶として成長していきます。
こうして、ノードとリンカーが規則正しくつながった三次元の網目構造が生まれます。MOFの「自動組み立て」は、分子同士の相性と自然な安定化を上手に利用した、ナノスケールの建築なのです。

MOFの面白さは、ひとつの小さな構造がそこで終わりではないことです。金属クラスターと有機配位子がつくる基本の形は、同じ並び方を保ったまま上下左右、さらに奥行き方向へとくり返し広がっていきます。
図のように、同じパターンが連続して並び、骨組み全体が大きな立体構造が形成されている様子がわかります。私たちが画面で見ているのは、その巨大な結晶のほんの一部にすぎません。
この「規則正しいくり返し」があるからこそ、MOFの内部にはそろった大きさの孔や通り道が生まれます。ガスをためたり、特定の分子だけを通したりできるのは、この整った繰り返し構造のおかげなのです。