Manabi
脂質分子 C₄₂H₈₄NO₈P
マウスや指で動かしてみよう

細胞膜を作り、エネルギー源にもなる分子。
脂肪やホルモンなど、生体内で多彩な役割を担う。
脂質の多くは、炭素と水素が続く「炭化水素(あぶらの鎖)」が中心で、水のような「電気的にかたよりのある」液体と相性がよくありません。 水は仲間同士で強く結びつこうとするため、脂質が入るとその並びが乱れ、結果として水は脂質を押しのけるようにふるまいます。 このため脂質は水に溶けにくく、集まって油滴になったり、表面に膜のように広がったりします。 ポイントは「脂質が水を嫌う」というより、「水が脂質を受け入れにくい」ことです。 この「相性の悪さ」が、生体内で脂質がかたまりや境界を作りやすい理由になります。

リン脂質は「水となじむ頭(親水性)」と「水を避けるしっぽ(疎水性)」を同時に持つ、二つの性格を合わせた分子です。 水の中では、しっぽは水から隠れるように内側へ、頭は水に触れるように外側へ向くのが「楽」になります。 その結果、リン脂質が自発的に並び、二重層(細胞膜の基本形)やミセルが自然にできあがります。
これは化学結合で組み立てるというより、「水との相性」を最も無理なく満たす配置に落ち着く現象です。 3Dモデルで見ると、しっぽの長さや折れ曲がり(不飽和結合)が、膜の硬さや動きやすさ(流動性)を変えることも実感できます。