お知らせ
2007/03/26
アウトリーチ
日本学術振興会が主宰するアジア研究教育拠点事業(以下アジアコア事業)は「我が国において先端的又は国際的に重要と認められる研究課題について、我が国とアジア諸国の研究教育拠点機関をつなぐ持続的な協力関係を確立することにより、当該分野における世界的水準の研究拠点の構築とともに次世代の中核を担う若手研究者の養成を目的として実施されるものです。
分子科学研究所は、このアジアコア事業の一環として、分子科学研究所、中国科学院化学研究所、韓国科学技術院自然科学部、台湾科学院原子分子科学研究所を4拠点研究機関とする日本、中国、韓国、台湾の東アジア主要3カ国1地域の研究交流プロジェクト「物質・光・理論分子科学のフロンティア」を、平成18年度よりスタートさせました。間もなく初年度の終わりを迎えるにあたり、去る3月1日~3日に本事業の「第1回全体会議」を岡崎コンファレンスセンターにおいて開催しました。
海外から19名の参加者を迎え、全体で100名を超える方々のご参加をいただきました。本年度の事業報告に加え、分子研の有する大型設備(UVSOR、計算機センター、920MHzNMR)への見学ツアー、アジア出身でアメリカで活躍されているHai-Lung Dai教授(Temple Univ.)と平田聡助教授(Univ. Florida)による基調講演、ポスターセッション、さらに、事業に参加されている中国・韓国・台湾の研究者の方々との今後の活動計画に関する議論等が行なわれました。
ポスターセッションでは、海外からの参加者や分子研の各研究グループから52件の発表があり、活発なディスカッションが行なわれました。ポスターセッションでの議論を受けて個人レベルでのラボツアーも行われ、今後の共同研究の可能性を模索する重要な機会になったものと思われます。また、事業の運営に関する非常に有益な意見も数多く聞かれ、会議はたいへん実り多いものとなりました。会議の運営にあたってご協力いただきました皆様に心から感謝するとともに、今後の本事業に変わらぬご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げる次第です。(大森賢治 記)