お知らせ
2008/11/19
受賞
物質分子科学研究領域・電子構造研究部門の唯美津木准教授が、「In-situ時間分解XAFS法を駆使した触媒化学の革新」により、第13回日本放射光学会奨励賞を受賞しました。
唯准教授は、時々刻々変化する触媒の働きをリアルタイム計測できる時間分解XAFS法の開発・改良に取組み、触媒反応が進行しているその場で、高性能固体触媒の働きを直接捉えることに成功しました。エネルギー分散型DXAFSを駆使し、自身が開発したベンゼン/酸素からのフェノール直接合成に世界最高の触媒性能を示す担持レニウム触媒の高選択性要因を分子レベルで解明しました。開発したtime-gating QXAFS法により、実用燃料電池作動時のin-situ XAFS測定を実現し、同時に起こると考えられてきた電気化学反応と白金触媒の構造変化の間に明確な時間差が存在する新現象を見出しました。更に、異常電圧印加時の白金触媒の溶出過程の解明にも貢献しました。
これらのin-situ時間分解XAFS法を駆使して行われた研究は、触媒化学研究のみならず、化学反応全般に新たな展開を付与するものと高く評価され、日本放射光学会奨励賞の受賞が決まりました。
(西 信之記)
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