お知らせ
2012/11/26
アウトリーチ
11月8日(木)に矢作中学校にて、2年生の1学級を対象にして、「光と分子」という題目で出前授業を行った。今回、十数年ぶりに中学校を訪れたが、昼休みの生徒の活気に驚くとともに、自分にもこのような時代があったと思うと、非常になつかしく感じた。
授業では始めに分子のスケールが、地球に比べていかに小さいか、また陽子と比べていかに大きいか述べた。またコップ一杯の水の中に沢山の水分子が入っているという話をした。そして物質の構造や性質は分子同士の相互作用により決まっていて、それを調べる方法として光をあてたときの応答を見るのが有効であることを述べた。
次に光の性質について、実際にメッシュを用いた光の回折の観察や、回折格子を用いた白色LED光の分光を実際に行って確かめた。そして光を分子に照射するとどのようなことが分かるか、赤外線、可視光、紫外線、X線の場合をそれぞれ述べていった。最後に放射光の原理と、最近私が行っているUVSORにおける溶液の軟X線分光の研究の話を紹介した。
私の経験不足もあり、中学生には少し難しい話をしてしまったかもしれないが、生徒のみなさんはとても素直で、興味をもって話を聞いてくれた。今回の授業で少しでも科学に興味をもってもらえれば幸いである。
(長坂将成 記)