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椴山儀恵先生の出前授業記(2015年11月11日実施)

11月11日(水)岡崎市立翔南中学校2年生165名を対象に、出前授業を行いました。

中学の理科の授業内容の記憶が全くない私は、理科の教科書を入手して、その内容を思い出すことから事前準備を始めました。中学理科の教科書を開くのは、おおよそ25年ぶりのことでした。

授業当日。創立3年目の新しい学校と大きな文字で書かれた授業テーマ「キラル分子と私たち」に驚きながら、体育館で授業を行いました。

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まず、分子科学研究所の所在地を示し、「研究グループ」や「研究室」の紹介を、生徒さんにとって身近な「学校」や「プロ野球のチーム“中日ドラゴンズ”」になぞらえながら行いました。常日頃、多くの人々にとって「研究所」=「ブラックボックス」なんだろうなぁと感じることが多く、少しでも「研究所」、さらに、研究所の「なか」や「研究する」ということを知っていただけたらと思ったからです。

続いて、「分子研のミッション」や「私たちの研究グループの夢と挑戦」についてお話をしました。「原子」や「分子」は、私たちの生活を支えています。普段、私たちの生活に溶け込んでいるために、そのことに気付かない程です。そこで、文部科学省により作製された「一家に1枚周期表」を使って生活に身近なモノがどんな原子からできているかを学びならが、授業で習ったばかりの「原子」や「分子」の復習をしていきました。次に、スポーツ飲料水の成分であるアミノ酸を題材に、キラル分子の説明へと授業を進めました。

キラル分子は、原子の数が同じでも、原子の配置や繋がりの違いによって異なる性質を示します。授業の中盤からは、キラル分子の性質の違いを実際に体験してもらうため、準備していたリモネン、カルボン、メントールのR体とS体のサンプルを生徒さんや先生方に配り、それらの匂いを嗅いでもらいました。R体とS体とで何の匂いに感じるかを当てるクイズを行いました。ちょっとした原子の位置の違いで香りの違いに繋がることに驚いた様子でした。続いて、身の回りのキラル分子として医薬品、メントールを含む食品や生活用品を紹介しました。特に、2001年の野依先生のノーベル賞受賞に繋がり、今やメントールの工業生産に欠かせないBINAPが分子研で誕生したことをお話しました。

最後に、翔南中学校がエコスクールであることから、「環境に配慮した化学反応の開発」として、私たちの研究について紹介しました。

今回の出前授業は、これまで大学生以外に講義を行ったことがない私にとって、大変貴重な経験でした。授業での生徒さんからの質問や反応がとても新鮮でした。野依先生がノーベル賞を受賞した2001年、生徒さんたちはちょうど“0歳”だったことを伺って、年月の経過を感じました。 

私の授業を聞いてくださった翔南中学2年生の皆さん、事前の打ち合わせや当日の準備を担当していただいた小玉先生、佐藤先生をはじめ多くの先生方に、この場をお借りして深く感謝いたします。
                                 (椴山 儀恵 記)