分子科学研究所

サイト内検索

お知らせ

お知らせ詳細

2021/11/19

アウトリーチ

豊田朋範先生の出前授業(岡崎市立新香山中学校・2021年11月12日実施)

11月12日(金)に岡崎市立新香山中学校の2年生の1クラスを対象として、「縁の下の力持ち:低温―低温の世界と不思議に触れてみよう―」と題した出前授業(サイエンスセミナー)を行いました。本授業は、主講師 豊田朋範 技術職員、副講師 原田美幸 技術職員の2名で実施しました。授業では、豊田講師が、最初に「低温」のイメージを生徒さんに尋ね、ネガティブなイメージもある低温は、実は長期保管や生活の様々な場面で重要な役割を果たしていることを、新型コロナウィルスのワクチンも例に紹介しました。

1_1112.jpg
低温が、実は私達の生活で重要な役割を果たしていることをお話しました。
新型コロナウィルスのワクチンの例は、特に身近な例として理解してもらえたようです。

 

生徒さんが学習中という抵抗に話が及んだ後、開発した実験教材で抵抗と温度の関係性を観察する実験を行いました。ほとんど見たことがないというドライアイスに加え、生徒さんが初めて見ると思われる液体窒素を実験教材に注ぐ時、生徒さんの関心が最高潮に達しました。生徒さんには、グループで協力して温度と抵抗の値を記録して、温度によって抵抗値が変化することを体感してもらいました。

興奮冷めやらぬ中、低温で抵抗値が低下する原理を特別な材料に適用すると、超伝導という特別な状態ができること、それがMRI(磁気共鳴イメージング)やリニアモーターカーなど、私達の生活を便利にしていること、今もより高温で安価な材料で超伝導が実現できるように、多くの人々が挑戦していることをお話しました。

2_1112.jpg
実験教材に液体窒素を注ぐ豊田講師。
保護メガネをかけた生徒さんは、タブレットで撮影するなど興味津々でした。

 

最後の質疑では、「液体窒素に消しゴムを入れたら破裂する動画を見たが、その理由は?」という今どき(?)の質問から、「液体窒素はどのように作るのか?」「酸素も冷やすと液体になるのか?」など鋭い質問も相次ぎ、生徒さんの関心の高さを改めて感じました。

このたびの出前授業にあたり、理科ご担当の岩瀬美瑚先生をはじめ新香山中学校の先生方には大変お世話になりました。ありがとうございました。

(豊田朋範 記)