分子科学研究所

サイト内検索

お知らせ

お知らせ詳細

2022/03/02

アウトリーチ

竜南中学校へのオンライン出前授業を行いました(2022年1月21日実施)

1月21日(木)に岡崎市立竜南中学校の1年生2クラスを対象として“レーザーと「単位」を味方につけよう -ちょっと手ごわい?けど、仲間になろう-”と題したオンライン出前授業(おかざきッズサイエンスセミナー)を行いました。本授業は、片柳英樹 助手と上田正 技術職員の、講師2名で実施しました。配信はオンライン会議ソフトを用いて、分子研の実験室と、竜南中学校の2つの教室を繋いで行われました。


始めのご挨拶

生徒さん達は最近、理科で「光」について学習したとのことで、今回の授業では分子研機器センターで稼働中の超短パルスレーザー(ピコ秒レーザー)の実験室からの生中継で、研究用の高出力レーザーを用いたいくつかの実験を見てもらいました。レーザーは日常生活でも見かけるものですが、普通の光とはどう違って、何に使えるのかを、実際に、といっても画面越しにですが、体験してもらいました。まずレーザー光の作り方や特徴を、上田講師が自作したレーザー発振器による実演を交えて紹介しました。また、機器センターのピコ秒レーザーの使い方として、主に「測る」と「作る」がありますが、「測る」では、このレーザーのとても短いパルス幅(1兆分の数秒!)を活用して、光の速さを測定しました。このとき、「ギガ」や「ピコ」など、単位の計算で出てくる言葉についても説明しました。一方「作る」では、このレーザーを使って金属微細加工を行った際の動画を見てもらいました。この加工装置も上田講師の手によるものです。


レーザーの実験を生中継

オンライン授業で実験を生中継して、皆さんに体験してもらう試みは、私たちにとっても初めての経験で、多くを学ばせていただきました。特に、オンライン授業は、高出力レーザーなど、大型で持ち運ぶことができなかったり、安全のため見学が難しかったりといった理由で、生徒さんたちにはなかなかお見せできなかった実験を教室までお届けできる、とても良い方法であることを実感しました。


教室の様子(竜南中学校ご提供)

このたびのサイエンスセミナーにあたり、ご担当の新育大先生をはじめ竜南中学校の先生方には大変お世話になりました。カメラの切り替え時にしばらく暗転してしまうなど、不手際も多かったのですが、生徒さん達にとって、不思議で役立つ光「レーザー」の実験を体験し、自然科学や、研究について、興味を持つきっかけとなれば嬉しく思います。

おかざきッズサイエンスセミナー:文科省「初等中等教育段階のSINET(学術情報ネットワーク)活用実証研究事業」に岡崎市が採択され、自然科学研究機構と実施している、高速ネットワーク接続を活用した出前授業。

(片柳英樹・上田正 記)