分子科学研究所

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2022/03/02

アウトリーチ

松井文彦先生の出前授業(2022年1月13日実施)

1月13日(木)に岡崎市立福岡中学校の1年生5クラスを対象として「超伝導って何?最先端研究施設から出前実験」と題した出前授業(おかざきッズサイエンスセミナー)を行いました。本授業は、松井文彦 教授、浅田瑞枝 技術職員、片柳英樹 助手の講師3名および太田紘志・高山敬史 技術職員の協力により実施しました。今回は1クラスずつ、2~6時限にわたって5回連続で授業を行いました。

 
始めに授業資料を配布する松井講師

各回の授業では、まず物質の状態変化(相転移)について説明し、空気の入った大きなビニール袋を液体窒素に入れると、どんどんしぼんで、中に少し液体(液体酸素)ができることを実演しました。

次に、これも相転移の一種である超伝導について説明しました。生徒さん達は、初め「超伝導」という言葉には馴染みがなかったようですが、超伝導物質を液体窒素で冷却して、「マイスナー効果」で空中に浮かんだ磁石を、自ら竹のピンセットで押してみる実験などを体験し、超伝導の「手ごたえ」をしっかり感じることができたようです。


 超伝導体の上に浮かぶ磁石

授業の後半ではオンライン会議ソフトを利用して教室と、分子研の極低温センターとを結び、センターで稼働しているヘリウム液化装置について、浅田講師から説明を受けました。液体ヘリウムは超伝導物質の研究には欠かせません。また、研究所での普段の仕事などについて教室とのやり取りをしました。

 
極低温センターの浅田講師とのやり取り

このたびのサイエンスセミナーにあたり、ご担当の東浦廉先生をはじめ福岡中学校の先生方には大変お世話になりました。この授業が生徒さん達にとって、物質の状態変化や超伝導の不思議を体験し、また分子研からの生中継を見て、分子科学や、研究という仕事について、興味を持つきっかけとなれば嬉しく思います。

 
分子研中継チーム(左から高山・浅田・太田 技術職員)
背景の白いタンク群はヘリウム液化装置

おかざきッズサイエンスセミナー:文科省「初等中等教育段階のSINET(学術情報ネットワーク)活用実証研究事業」に岡崎市が採択され、自然科学研究機構と実施している、高速ネットワーク接続を活用した出前授業。

(片柳英樹・松井文彦 記)