分子科学研究所

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2025/11/06

受賞

大峯巖元所長が瑞宝中綬章を受章

 大峯 巖 分子科学研究所元所長が、永年にわたる教育・研究へのご尽力により、瑞宝中綬章を受章されました。

大峯元所長は、1982年に分子科学研究所理論研究系助教授に着任され、94年に名古屋大学理学部教授となられました。名大を退職後、京都大学を経て、2010年から2015年に分子科学研究所の所長を、また2013年から2015年には自然科学研究機構理事を務められ、研究所および機構全体の運営に多大なご貢献をされました。この間、協奏分子システム研究センターの設立をはじめ、国際的な学術交流の推進にも尽力されました。また、総合研究大学院大学においては、教授および専攻長として、次代を担う研究者の育成に大きく寄与されました。

研究においては、私たちにとって最も身近でありながら、最も奥深い存在である水を対象に、分子スケールでの運動や構造変化の理論的解明に取り組まれました。また、水が無秩序な液体状態から秩序ある氷へと結晶化する過程という未解明の課題に挑まれたほか、氷の融解に伴う格子欠陥の生成や、それらの分離・成長過程の詳細な解析にも成功されました。さらに、水や氷に限らず、化学、物理、生命現象の関わる幅広い分野における分子スケールの反応ダイナミクスの研究にも広く展開されました。

 このように、大峯元所長は、永年にわたり、理論化学・物理化学・分子科学の研究と教育の発展に尽力され、国内外において多大な功績を残されてきました。これらの卓越した業績が高く評価され、今回の瑞宝中綬章の受章となりました。