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生命・錯体分子科学研究領域加藤(晃)グループ

加藤(晃)グループ_メインイメージ
場所:山手キャンパス 3号館3F西
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生命分子,動的秩序,高次機能,NMR

生命分子システムの動的秩序形成と高次機能発現の仕組みの探求

生命現象の特質は、システムを構成する多数の分子素子がダイナミックな離合集散を通じて秩序構造を形成し、外的環境との相互作用を行いつつ、自律的に時間発展していくことにあります。前世紀末期に勃興したオミクスアプローチは生命体を構成する分子素子に関する情報の網羅的集積を実現しました。しかしながら、それらの生命素子が自律的に柔軟かつロバストな高次秩序を形成するメカニズムを理解することは、これからの生命科学の重要な課題です。 私たちは、生物学・化学・物理学の分野横断的な研究を通じて、内的複雑性を秘めた生命分子素子が動的な秩序を形成して高次機能を発現する仕組みを分子科学の観点から解き明かすことを目指しています。

特に、タンパク質や脂質、複合糖質から構成される生命分子システムの動的秩序形成におけるミクロ-マクロ相関の探査を可能とする手法を開発し、これを応用した生命分子集合・離散系の動態観測を高精度で実現することを目指しています。これにより、生命分子素子がダイナミックな集合離散を通じて動的な秩序構造を形成するメカニズムを明らかにするとともに、生命分子集団の自己組織系に内在する精緻にデザインされた不安定性をあぶり出し、機能発現にいたる時空間的展開の原理を理解することを目指します。また、生命分子システムのデザインルールを取り入れた人工自己組織化システムの創生に資することを目的とした研究を行っています。生命超分子集合体は、外部環境の変動や超分子集合体間のコミュニケーションを通じて時空間的発展を遂げています。生命分子システムの有するこうした特徴の本質を深く理解し、それを積極的に人工超分子系の設計に取り入れることは、分子科学におけるパラダイムシフトをもたらすものと考えています。

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生命分子のダイナミックな離合集散を通じた超分子装置の形成

参考文献

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    Fluctuations Toward Biological Functions (M.Terazima, M.Kataoka, R.Ueoka, and Y.Okamoto ed.)
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