研究・研究者
研究グループ詳細
グループリーダー
生命分子システムの制御をめざした人工酵素の開発
人工金属酵素、タンパク質工学、錯体化学、細胞内触媒反応、化学-酵素合成
生命活動は連鎖的に繋がった幾多の化学反応によって維持されています。この生体内の化学反応のネットワークを人為的に再設計してモノづくりや医薬応用に繋げる研究が進められています。
もし、この生体内の化学反応ネットワークに、人類が見出してきた自然界には存在しない化学反応を統合することができれば、より多様な高付加価値化合物の生産や全く新しい作用機序の医薬の開発に繋がります。そのため、近年、モノづくり指向型化学の代表的な研究対象であり、さまざまな非天然の化学変換を可能としてきた合成触媒の活躍の舞台をフラスコから細胞や生体の中へと展開する流れが興りつつあります。
このような背景の下、我々のグループでは、生体内化学反応ネットワークに非天然の化学反応を統合するための方法論として人工酵素に注目しています。タンパク質や酵素などの生体分子を錯体化学・触媒化学に立脚した化学的アプローチによって改変することで、天然には存在しない新たな機能を獲得した人工酵素を開発しています。加えて、開発した人工酵素を細胞・生体内へと導入するための技術についても研究しています。このように人工酵素を「つくる」研究、そして、それらを細胞/生体内といった生命分子からなるシステムへと還元して「生命機能を制御する」研究に挑みます。
Research overview : By combining the development of synthetic catalysts through organic synthetic chemistry methods and the modification of protein functions through genetic engineering methods, we can construct designer enzymes that possess non-natural functions. Utilizing these designer enzymes, we aim to design chemical reaction networks within flasks and intervene in biochemical events within cells.