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光分子科学研究領域平 義隆グループ

場所:明大寺キャンパス UVSOR棟 201号室
Annual Review : こちら

Electron beams, synchrotron radiation, gamma-rays, positrons

高エネルギー電子ビームを用いた新規量子ビーム源開発と利用研究

人間の目に見える可視光以外にも世の中には沢山の光が存在します。例えば携帯電話やテレビ放送に使われている波長の長い電波、可視光よりも波長の短い紫外線、レントゲン写真で有名な物を透過するX線やガンマ線などが挙げられます。これらの光を人工的に発生するには様々な方法がありますが、私たちのグループでは「電子」を用いた方法を使っています。分子科学研究所にあるUVSORと呼ばれる装置は、電子を光の速さの99.99998%まで加速することができます。このほぼ光速の電子を磁石やレーザーを使ってその軌道を僅かに変えることで様々な波長帯の光を発生することができます。

光には、波長の他に時間的な長さ(パルス幅)や光の電場の偏り具合を表す偏光といった特徴があります。私たちのグループでは、これまでに無い新しい特徴を持つ光をどうすれば発生できるのか、そしてその新しい特徴を活用した利用法を探索する研究を行っています。

一例を挙げると、10兆分の1秒の極めて短時間のパルス幅をもつガンマ線を発生する研究を行っています。ガンマ線はセシウムなどの放射性同位元素から発生する事が良く知られていますが、そういった放射性同位元素からは到底発生することができない特徴をもつガンマ線が高エネルギー電子ビームを用いると発生可能になります。ガンマ線からは対生成と呼ばれる現象によって電子とその反粒子である陽電子が発生します。私たちのグループでは、この陽電⼦を⽤いて金属材料や高分子材料内部に存在するナノメートルの⽋陥や空隙を分析する技術を開発し、材料の特性改善に関する研究を⾏っています。

 

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Figure 1: Schematic illustration of 90-degree laser Thomson scattering.
 

ty_Fig22.pngFigure 2: Positron annihilation lifetime spectrum of stainless steel for positron defect measurements (5607-a) supplied by National Metrology Institute of Japan (NMIJ). Measured positron lifetime 108 ps agrees well with the indicative value.

参考文献

  1. Y. Taira, M. Adachi, H. Zen, T. Tanikawa, N. Yamamoto, M. Hosaka, Y. Takashima, K. Soda, M. Katoh, “Generation of energy-tunable and ultra-short-pulse gamma ray via inverse Compton scattering in an electron storage ring”, Nucl. Instr. Meth. A, 652 (2011) 696.
  2. Y. Taira, H. Toyokawa, R. Kuroda, N. Yamamoto, M. Adachi, S. Tanaka, M. Katoh, “Photon-induced positron annihilation lifetime spectroscopy using ultrashort laser-Compton-scattered gamma-ray pulses”, Rev. Sci. Instr., 84 (2013) 053305.

  3. Y. Taira, T. Hayakawa, M. Katoh, “Gamma-ray vortices from nonlinear inverse Thomson scattering of circularly polarized light”, Scientific Reports, 7 (2017), 5018.

  4. Y. Taira, M. Katoh, “Gamma-ray vortices emitted from nonlinear inverse Thomson scattering of a two-wavelength laser beam”, Phys. Rev. A, 98 (2018) 052130.
  5. Y. Taira, M. Katoh, “Generation of optical vortices by nonlinear inverse Thomson scattering at arbitrary angle interactions”, The Astrophysical Journal, 860 (2018) 45.