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協奏分子システム研究センター

山本グループ


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研究テーマ

分子を使った新しいエレクトロニクスを開拓する

キーワード

有機エレクトロニクス、有機FET、強相関電子系、超伝導、モット絶縁体、超分子、ナノワイヤー


新しいエレクトロニクスの担い手として有機分子が注目を集めています。軽くて曲げられるトランジスタとして最近盛んに研究されている有機トランジスタ(Organic Field Effect Transistor = OFET)や、ディスプレイ用途に使われている有機発光素子などがその代表例と言えるでしょう。我々の研究室では、有機分子による新しいエレクトロニクスの創成を目指して、これまでとは違った独創的なデバイスを提案・実現していこうと研究に取り組んでいます。現在主に取り組んでいるのは、有機エレクトロニクスの中でも非常に特異な性質をもつ「強相関π電子」を使ったトランジスタの開発です。強相関電子というのは、電子間のクーロン相互作用が強く働き、通常の伝導電子とは異なった振る舞いをする電子系のことで、ほんの少し電子濃度を増やしたり減らしたりするだけで、急に電子が固まって絶縁体になったり、急に流れ出して金属になったりします。不思議なことに、YBa2Cu3O7─δなどの銅酸化物高温超伝導体の伝導電子もまた、この強相関電子に属することが分かっています。そしてFET構造の仕組みを利用して有機物界面の「強相関電子」の濃度を変化させてやると、上に述べたような現象が実際に起こって、絶縁体を金属や超伝導にスイッチ(相転移)させることが出来ます。我々は世界で初めて、こうした相転移をOFET界面において観測することに成功し、デバイスのスイッチング性能を飛躍的に向上させることに成功しました。また最近は、超伝導のON/OFFを光で制御したり、歪みの効果で超伝導転移を制御したりするデバイスの開発も達成しています。このようなデバイスは将来量子コンピューターの中で使われる可能性があるほか、その動作様式を丹念に調べることによって、まだ分かってないことの多い強相関電子系超伝導の発現機構解明のための糸口を与えてくれることが期待されています。このような研究に加えて、最近はキラル分子を用いたスピン偏極電流の生成に関する研究にも取り組んでいます。

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Light-induced superconductivity at an organic interface. Self-assembled monolayer (SAM) of photochromic molecule can react with UV light to form electric field across the interface. This electric field invites excess carriers that induces superconductivity from Mott-insulating state.

参考文献

  1. M. Suda, Y. Thathong, V. Promarak, H. Kojima, M. Nakamura, T. Shiraogawa, M. Ehara and H. M. Yamamoto “Light-driven Molecular Switch for Reconfigurable Spin Filters” Nature Commun., 10, 2455 (2019).
  2. M. Suda, R. Kato, and H. M. Yamamoto "Light-induced superconductivity using a photo-active electric double layer" Science,347, 743-746 (2015).
  3. H. M. Yamamoto, M. Nakano, M. Suda, Y. Iwasa, M. Kawasaki and R. Kato
    "A strained organic field-effect transistor with a gate-tunable superconducting channel" Nature Commun. 4, 2379/1–2379/7 (2013)

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