分子科学研究所

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第57回分子科学フォーラム

演 題 「ヒトゲノムを極める」
日 時 2005年07月20日(水) 16:00
講演者 慶應義塾大学医学部分子生物学 教授 清水信義
場 所

岡崎コンファレンスセンター大会議室

概 要

ヒトゲノムDNAの30億塩基対からなるシーケンスを決定して、そこに秘められた生命の情報を全て解読するという研究は1990年に国際協力で開始 された。1999年に22番染色体が初めて解読完了され、2001年にドラフトシーケンスの解読、2004年秋にはゲノム最終シーケンスの解読が報告され た。その間、21番染色体など合計15種類の染色体が個別に解読完了報告されている。その結果、ヒトゲノムには約23,000の遺伝子が存在すると算定さ れただけでなく染色体の分子生物学的特徴がきわめて明瞭になり、生命の営みをより深く理解するための新たなライフサイエンスの研究基盤が確立された。ヒト ゲノム全塩基配列の決定は、20世紀から21世紀にかけた13年間の国際協力で達成された自然科学における人類未踏の快挙と言えよう。1990年の開始以 来、演者の率いる慶應大学チームは一貫して独自性と協調性を保ちつつこの国際計画に参画しいくつかの学術的な貢献をなす機会を得た。  
 本講演では先ず「ヒトゲノムの全体像」に関する現況をまとめ、次に注目すべきいくつかのトピックスや予期せぬ発見を紹介し、さらにゲノムからトランスクリ プトーム、プロテオームへと展開する新しいヒトに関する分子生物学を展望し、最後に、疾患原因遺伝子の解析を中心とするゲノム医科学と医療へのインパクト について言及する。 (参考:清水信義著「ゲノムを極める」講談社)

【分子科学フォーラムについて】
市民の方々に分子科学やその他の分野の第一線の研究成果をわかりやすく紹介する講座で、1996年に開講し年4回(2008年までは年6回)開催しています。皆様のご来場をお待ちしています。