「NTT研究所におけるSiバイポーラ高速デバイス技術の研究について」 小中信典
NTTが光ファイバー通信のギガビット化に向けて、実用化研究を進めた1980年代、その高速動作を担うシリコン集積 回路を可能にするため、SSTというシリコンバイポーラデバイス技術を開発しました。SSTは、Super Self-aligned process Technologyの頭文字をとったもので、日本語にすると、超自己整合プロセス技術という名前になります。当時使用されていた1ミクロンの露光技術を 使用して、精度よく0.3ミクロンの微細なバイポーラトランジスタを製作する技術です。その結果、従来より2倍以上の高速な増幅器、論理回路などのシリコ ン集積回路を作ることができ、世界に先駆けて1.6ギガビット/秒の光ファイバー通信システムを実用化することができました。その開発の内容を中心に講演 を行う予定です。また、その後のCMOSとの混載技術、低電圧CMOSを利用した腕時計形簡易電話器(PHS)や指紋認証チップの開発についても、簡単に 触れたい。
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