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演 題 | 「イオン性環状チアジルラジカル結晶の構造と物性」 |
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日 時 | 2006年01月13日(金) 16:00 |
講演者 | 藤田渉 (名古屋大学物質科学国際研究センター) |
場 所 | 分子科学研究所(明大寺地区) 研究棟201号室 |
概 要 | 環状チアジルラジカルはS原子とN原子を含み、固体状態でS・・・SあるいはS・・・N原子間近接を介して、多次元的かつ強い分子間相互作用を有する。近 年この物質群の中から従来の常識を破る高い転移温度を有する弱強磁性体が発見されたのを初めとして、金属的電気伝導、磁気双安定状態、光誘起相転移等、魅 力ある性質を示す分子結晶が多数報告されている。一方、ほとんどの 環状チアジルラジカル誘導体は固体状態でface-to-faceで強く二量化 するため、電子スピン由来の物性を失ってしまう。この物質群のパフォーマンスを最大限に引き出すためにはまず二量化を防ぐための工夫、つまりface- to-face以外の分子配列を取るような結晶多形を見いだすことが必要である。本発表ではまずイオン性の環状チアジルラジカルを用いて二量化の抑制に成 功した例を紹介する。次いで研究過程で得られた 様々な誘導体の示す磁気相転移やこの物質群の次の研究展開についても述べる予定である。 |
お問合せ先 | CM2 seminar担当 高橋 一志 |