分子科学研究所

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分子研研究会

演 題 「体の創成と応用〜生体から触媒およびデバイスまで〜」
日 時 2008年07月18日(金) 9:10 より 2008年07月19日(土) 16:20 まで
場 所

岡崎コンファレンスセンター小会議室

概 要

錯体化学の分野では、中心金属の特性を活用した新しい触媒や機能性材料の開発が一つの重要な研究課題となっている。この場合、配位子を作用させて中心金属 の立体化学や電子状態を制御し、目的とする反応性や機能を発揮できるように工夫しなければならない。しかし、従来用いられる配位子は殆どの場合、アミン系 やリン系の市販化合物もしくは容易に合成可能な単純なものであり、配位子自身を精密に設計し、錯体の反応性や機能を最大限に引き出せるように工夫した例は 少ない。一方、生体系に目を向けると、金属酵素活性中心では、鉄や銅、亜鉛などの非常に限られた種類の金属を用いて、それらの機能を最大限に発揮できるよ う配位子場の立体構造や環境が精密に制御されている。このような配位子場の精密制御を人工系で達成できれば、より高活性で選択性に優れた触媒や機能性材料 の開発に繋がるものと期待される。

本研究会では、このような観点から配位子場制御に基づいた機能性錯体の創成と応用を目指した研究を活発に展開している国内の研究者が一同に会し、今後の機能性錯体の開発について、下記のようなトピックスを中心に、情報交換および討論を行う。

(1)金属酵素活性中心における配位子場の本質を探る
(2)配位子場制御に基づく金属タンパク質および固体触媒の機能化
(3)機能性触媒および機能性材料の開発を目指した配位子設計

 

プログラム

7月18日(金)(1日目)
9:10-9:20

開会:趣旨説明(伊東 忍)

座長:渡辺芳人(名大物質国際センター)
9:20-10:00

齋藤正男(東北大多元研)

「X線結晶構造解析によるヘムオキシゲナーゼ反応の可視化」

10:00-10:40

城 宜嗣(理研播磨)

「呼吸酵素の分子進化:一酸化窒素から酸素へ」

座長:青野重利(岡崎統合バイオ)
10:40-11:20

林 高史(阪大院工)

「ヘムタンパク質超分子集合体構築」

11:20-12:00

上野隆史(名大院理)

「部品タンパク質が拓く生体分子配位化学」

12:00-13:20

昼 食

座長:船橋靖博(名工大院工)
13:20-14:00

成田吉徳(九大先導研)

「化学モデルを用いたヘムにおける酸素活性化とチトクロムc酸化酵素酸素代謝機構」

14:00-14:40

小寺政人(同志社大理工)

「Bis-TPA型二核化配位子を用いたトリオキソ二核鉄(IV)錯体」

14:40-15:20

古舘英樹(金沢大院自然科学)

「酸素活性種を含む単核鉄錯体の合成と機能制御」

15:20-15:40

休 憩

座長:小野田 晃(阪大院工)
15:40-16:20

人見 穣(同志社大理工)

「アミド配位を有する単核鉄錯体による過酸化水素の活性化―ヒドロペルオキシド基の酸素酸素開裂様式の制御を目指して―」

16:20-17:00

小坂田耕太郎(東工大資源研)

「含遷移金属ロタキサン-固体状態及び溶液中の集合挙動と機能」

17:00-17:40

田中晃二(分子研)

「アクア-オキシラジカル変換を経由する水の4電子酸化反応」

18:00-

懇親会(職員会館2階)

 

7月19日(2日目)
座長:多喜正泰(京大院人間環境)
9:00-9:40

西原 寛(東大院理)

「新しい多重機能を有するフォトクロミック錯体」

9:40-10:20

菊地和也(阪大院工)

「錯体化学を応用した緩和時間変化型機能性MRIプローブ」

座長:荘司長三(名大院理)
10:20-11:00

樋口恒彦(名市大院薬)

「ヘム-ペルオキシドの化学におけるチオレート軸配位子の機能:シトクロムp450との関連」

11:00-11:40

鍋島達弥(筑波大院数理物質)

「配位構造の形成および構造制御による応答性機能の発現」

11:40-13:00
昼 食
座長:倉橋拓也(岡崎統合バイオ)
13:00-13:40

増田秀樹(名工大院工)

「Nitrile hydratase 活性中心の構造活性相関の生物無機化学的アプローチとの関連」

13:40-14:20

川口博之(東工大院理工)

「遷移金属ヒドリド錯体による小分子活性化―配位子の効果―」

座長:伊東 忍(阪市大院理)
14:20-15:00

久枝良雄(九大院工)

「生体関連環状テトラピロール系金属錯体の反応特性と触媒機能」

15:00-15:40

杉本秀樹(阪市大院理)

「6属金属酵素活性中心における末端カルコゲノイドと酸化還元配位子の役割解明に向けた錯体化学的アプローチ」

15:40-16:20

巽 和行(名大院理)

「鉄硫黄クラスターの新規合成法―還元系金属酵素の活性部位モデル構築への挑戦」


 

その他

参加費:無 料
懇親会費:2000円(当日徴収)

参加希望者は、
氏名:
所属(身分):
連絡先:
懇親会への参加の有無:
を下記までメールでご連絡下さい。

連絡先:伊東 忍(shinobu@sci.osaka-cu.ac.jp)
研究会提案代表者:伊東 忍

 

お問合せ先

青野 重利 (分子研・岡崎統合バイオサイエンスセンター)