分子科学研究所

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第816回分子研コロキウム

演 題 「電子の結晶化で分極する有機強誘電体―― 光学非線形性,超高速光応答,強誘電ドメイン――」
日 時 2008年10月01日(水) 16:00
講演者 山本 薫 助教 (分子科学研究所・物質分子科学研究領域)
場 所

研究棟201セミナー室

概 要

強誘電体は,電気分極をレジスターとして電気信号の学習・記憶をおこないしかも転移点以上でそれを消去できるという複合機能を有した絶縁結晶である。この 分極はイオンの反転非対称な変位に由来することが知られているが最近,我々は,有機伝導体alpha-(ET)2I3が通常とはことなる機構で自発分極す ることを光学第2高調波(SHG)の観測により確認した。この有機結晶はウィグナー結晶化とよばれる電子の結晶化によって金属-絶縁体転移する。自発分極 は,この電子相転移によって引き起こされるのである。
この有機強誘電体がしめす大きな非線形光学特性,およびその超高速光応答,さらにSHGの干渉効果を利用した強誘電ドメイン観測について 研究の現状を紹介したい。