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グリーンイノベーションのための表面・界面化学(6日まで)

日 時 2010年10月05日(火) 10:30
場 所

分子研研究棟201号室

概 要

近未来のエネルギー事情のもとでは,光エネルギーを物質・電気エネルギーに変換するための光触媒や太陽電池などの新規開発や高度化がますます重要となってきている。その中でも水の太陽光分解は持続可能な社会を形成する上で重要な鍵を握っている。触媒を用いた光エネルギー変換はこのような実用的な面で重要であるのみならず,以下に述べるような学術的にきわめて重要であるもののまだ手がつけられていない問題が多く残されている。すなわち,光触媒反応は金属粒子,酸化物,半導体基板などが複合化されたきわめて不均一な反応場で進行し,この反応場の表面・界面における電子励起状態,およびこれが誘起する非断熱的な過程が中心的な役割を果たしている。したがって,ナノ金属粒子の構造と電子状態,金属粒子と基板との相互作用,電子励起状態・キャリアダイナミックス,反応活性点,反応中間体,反応機構など多くの未解決の問題を解明しなければならない。また,このような光触媒反応を含む不均一反応の本質を理解するためには触媒がまさに作用している状況での触媒の表面構造や反応にかかわる吸着種の構造・ダイナミックスに関する情報を得るための新たな実験や理論的研究手法の開発が不可欠である。このためには,表面・界面における現象を分光学的,あるいは顕微鏡法などの構造学的なアプローチをする研究者,第一原理計算をもとにした理論・計算科学研究者と共に,実際に動作する触媒を作成する研究者が一同に集まり議論することがきわめて有効である。このような議論の中から新たな方法論や共同研究の芽が生まれることが期待される。

プログラム
10月5日(火)
10:00-10:30 受付
10:30-10:50 はじめに
松本吉泰(京都大学大学院理学研究科)
10:50-11:20 工藤 昭彦(東京理科大学理学部)
「水分解のための光触媒材料の開発 」  
11:20-11:50 堂免一成,久保田純(東京大学大学院工学系研究科)
「非酸化物系触媒による水の全分解」
11:50-12:20 池田茂・八木哲郎・中村隆幸・Lee Sun Min・原田隆史・松村道雄(大阪大学太陽エネルギー化学研究センター)
「電気化学法により作製した半導体薄膜による太陽エネルギー変換」
12:20-13:30 昼 食
13:30-14:00 寺村謙太郎,宍戸 哲也,田中 庸裕(京都大学次世代開拓研究ユニット,京都大学大学院工学研究科)
「固体表面上での分子の光活性化 ~TiO2上でのNH3の光活性化を例にして~」
14:00-14:30 黒田 泰重・板谷 篤司・湯村尚史・小林 久芳(岡山大学,京都工芸繊維大学)
「銅イオン交換MFI-型ゼオライトを用いた小分子の活性化」
14:30-15:00 福岡淳(北海道大学触媒化学研究センター)
「メソポーラスシリカの触媒応用- CO選択酸化と重合」
15:00-15:30 唯美津木・邨次智・串田祐子・石黒志(分子科学研究所)
「新規固定化Ir触媒の表面構造変化とin-situ構造解析」
15:30-15:50 休 憩
15:50-16:20 中村潤児、近藤剛弘 (筑波大学数理物質科学研究科)
「界面相互作用による白金触媒の活性制御」
16:20-16:50 大西洋(神戸大学理学研究科)
「太陽光で動作する光触媒の分光計測」
16:50-17:20 吉信淳、小板谷貴典、吉本真也、向井孝三(東京大学物性研究所)
「飽和炭化水素と遷移金属表面の相互作用」
17:20-17:50 山本達、柿崎明人、松田巌(東京大学物性研究所)
「時間分解軟X線光電子分光法による表面ダイナミクスの研究:気体雰囲気下測定への展開」
18:30- 懇親会
10月6日(水)
9:00- 9:30 田中信夫,吉田健太,齋藤晃(名古屋大学エコトピア科学研究所,JFCCナノ構造研究所)
「環境制御型透過電子顕微鏡法を用いた光触媒材料研究」
9:30-10:00 小森 文夫(東京大学物性研究所)
「STMを用いた局所反応の電子励起とその観察」
10:00-10:30 奥山弘、熊谷崇、八田振一郎、有賀哲也、濱田幾太郎(京都大学大学院理学研究科・東北大学WPI-AIMR)
「水素結合ダイナミクスの実空間観測」
10:30-10:50 休 憩
10:50-11:20 福間 剛士(金沢大学フロンティアサイエンス機構)
「原子間力顕微鏡を用いた固液界面の原子分解能イメージング」
11:20-11:50 宮本良之(NECグリーンイノベーション研究所)
「光起電現象に関わる第一原理計算」
11:50-13:00 昼 食
13:00-13:30 館山佳尚、隅田真人、胡春平(物材研究機構,JST,東京理科大)
「TiO2/H2O界面における吸着構造、水素結合および酸化還元能」
13:30-14:00 森川良忠 (大阪大学大学院工学研究科)
「第一原理シミュレーションによるインテリジェント触媒の自己再生機構の解明」
14:00-14:30 山下晃一、Giacomo Giorgi(東京大学大学院工学系研究科)
「酸化チタン表面における励起状態の理論的研究」
14:30-14:50 休 憩
14:50-15:20 宗像利明、山田剛司(大阪大学大学院理学研究科)
「半導体上の吸着分子の電子励起過程」
15:20-15:50 近藤 寛、吉田真明、阿部仁(慶應義塾大学理工学部化学科)
「表面内殻分光によるin-situ触媒反応解析」
15:50-16:20 久保田純・吉田真明・堂免一成(東京大学大学院工学系研究科)
「赤外分光法を用いた水の全分解のための光触媒の機能の解明」

 

その他

発表形式:講演(発表25分+質疑応答5分)
参加費:無料(懇親会費1000円)
提案者:松本吉泰(京大院理),吉信淳(東大物性研),横山利彦(分子研・所内対応)

参加申込:こちらからお申し込みくだ さい。
申込締切:懇親会のご参加は9月26日(日)までにご連絡ください

お問合せ先

松本吉泰
京都大学大学院理学研究科化学専攻
〒606-8502 京都市左京区北白川追分町
TEL: 075-753-4047
E-mail: matsumoto@kuchem.kyoto-u.ac.jp
(送信時は@を半角にしてください)

横山利彦
分子科学研究所
TEL: 0564-55-7345
E-mail: yokoyama@ims.ac.jp (送信時は@を半角にしてください)