分子科学研究所

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ビラジカルの励起状態

演 題 ビラジカルの励起状態
日 時 2011年01月20日(木) 10:30 より 12:00 まで
講演者 田仲 二朗(神奈川大学理学部)
場 所

分子科学研究所 研究棟311号室(参加者多数の場合は301号室)

概 要

化学発光は、分子の分解にともなって、光が放射される現象であるが、その機構は発光分子ごとに異なるので、一般的な原理を、論ずるほどにはなっていない。
特に、似たような構造の化合物でも、発光の効率が著しく異なる場合があり、演者が所属している神奈川大学理学部の松本正勝教授の研究室では、各種の発光分子を合成して、発光の効率をしらべる中で、問題が提起された。
一方、この10年間のDFT計算の精度の向上は著しいものがあり、特にTDDFT法の進歩により、励起状態を詳しく研究できるようになってきた。 演者は3種類のOxidophenyl-dioxetane について、分子の分解過程について計算センターの計算機を使わせていただいて研究し、とくに発光性の高い分子では、分解時におこる大きな電子移動により、磁場が発生し、一重項と三重項励起状態の相互作用により、これが発光性の原因になることを明らかにした。
このような考え方が妥当であるか、他に似たような事例があるのか、ご関心の深い研究者に、詳しい話を聞いてもらいたい。

お問合せ先

西 信之(物質分子科学研究領域)