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研究会・セミナー
演 題 | 「Yb原子を用いた量子計算機の実現に向けて」 |
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日 時 | 2011年11月16日(水) 13:30 |
講演者 | 上妻幹旺 東京工業大学 准教授 大学院理工学研究科/物性物理学専攻 |
場 所 | 分子科学研究所 研究棟201セミナー室 |
概 要 | 近年になり、中性原子気体を2次元光格子中に配列し、それぞれの原子を量子ビットとして用いることで大規模な量子計算機を実現しようとする研究が行われるようになってきた。特に、Greinerらによって開発された、回折限界近い分解能をもつ光学顕微鏡と2次元光格子技術とを組み合わせた新しい実験系は、サイト分解した形で全系の状態を観察できるだけでなく、単一の量子ビットに対する自由なアクセスを実現するため、大きな注目を集めている。我々は、上記した系をコヒーレンス時間の短いアルカリ原子ではなく、電子スピンがキャンセルしたYb原子を用いて実現するための研究を行っている。核スピン特有の長いコヒーレンス時間や、超狭線幅遷移を利用できることが最大の利点となるが、逆に磁場による原子の輸送が出来ないなど、原子気体顕微鏡を実現する上で大きな障壁があるのも事実である。本公演では、こうした問題点を解決するために我々が開発した新しい実験技術について詳細な説明を行う。 |
お問合せ先 | 大森賢治 |