分子科学研究所

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理論計算領域オープンセミナー

演 題 「非均質媒質中でのカシミア効果」
日 時 2012年12月26日(水) 14:00 より 15:30 まで
講演者 後藤 振一郎(ランカスター大学 シニア研究員(PD))
場 所

分子研 研究棟201号室

概 要

カシミア効果とは、量子場の空間的境界条件に起因するマクロスコピックな力とそれに付随する物理現象のことを指す。場として電磁場、空間的境界条 件として 2枚の完全導体でできた無限に広い平行平板を真空中に配置する場合を考えると、平行平板間に引力が働くことが理論的、実験的に知られている。身の回りの媒 質は多かれ少なかれ非均質であるにも関わらず、非均質媒質中でのカシミア効果に関して系統的な理解は得られていない。均質媒質の場合と比べ、殆ど全ての計 算が技術的に困難になるからである。今回は発表は、スカラー場と電磁場による非均質媒質中のカシミア効果について報告する。系がある対称性を有する場合に ある程度一般的に言えることと、対称性が無い場合は具体的にカシミア効果を計算できる系の具体例について報告する。

S. Goto, A. C. Hale, R. W. Tucker, and T. J. Walton: Numerical regularization of electromagnetic quantum fluctuations in inhomogeneous dielectric media, Phys. Rev. A 85, 034103 (2012).

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鹿野 豊